CORNERSTONE / STYX
 アメリカン・プログレ・ハード…でいいんでしょうか? それとも産業ロック? '79年リリースのアルバム。STYXのアルバムを聴くのは、ミスター・ロボットでお馴染み?の『KILROY WAS HERE』以来、20年ぶりです; 名盤らしいです。たしかに昔ラジオでエアチェックした"Babe"とか"Boat On The River"も収録されてます。両方ともいい曲です。懐かしさもあるし。初めて聴いた曲の中で気に入ったのは、歌メロに高揚感がある"Why Me"かなあ。   (純生)


HOLD ON TIGHT! / SWEET COMFORT BAND
 何と、知らない間にSWEET COMFORT BANDの4作品(2nd〜5th)が国内初CD化されていました。4th以降は持っていて、残りのはこれまでかなり探していただけに(AORのアナログのコーナーに行くと必ず最初に「S」を見ていた)、この再発は実に嬉しい。嬉しさのあまり、やっと入手できた3rdの紹介です。
 前作ではR&B風味満載のやや地味なAORをやっていた彼らですが、この作品では、1曲目の"Hold On Tight!"で爽やかコーラスが炸裂し、後のハードAOR〜産業路線への萌芽を感じさせてくれます。が、そこまで派手な曲は1曲目だけで、後は大人しめの普通のAORが続きます。全体的にハイレベルで安心して聴けますが、終盤の方にむしろ良い曲が多く、"Undecided", "Carry Me", "More Than You Need"と続く流れはなかなかです。11曲目の"Find Your Way"
だけライブ・レコーディングっぽくて、曲のタイプもハード・ロック調の全然違う曲なのですが、これは何かのボーナスなのでしょうか?
 なお、後の作品についても書いておくと、4th『HEARTS OF FIRE!』は超名曲"Isabel"に始まるバンド最大の代表作であり、5th『CUTTING EDGE』も爽やか系AORの王道を行く名作です。というより、むしろ先に聴いてほしいのはこっちの方だったりします(笑)。
 このバンドについては、以前は詳しい情報がまったくなくて、AORの権威にお伺いしたところ、メンバーのソロ作品も含めた詳細なディスコグラフィ付の貴重な資料を頂いたことがあります。7年ほど前のことです。そんなことも含めて、大事な思い出のこもったバンドでもあります。  (Olias)


GREATEST HITS LIVE / NEW ENGLAND
 この作品のリリースの情報を最初に聞いたときは、「こ、こ、これはもしかして、あの幻のプロモ・オンリーのライヴ盤『INFINITY LIVE CONCERT SERIES』のCD化ということですか?」と1人で興奮しまくっていたが、どうもそうではないようだった。一応、'82年収録のライヴ音源の発掘リリースということである。ただし、その割には、全12曲中9曲が1stから、3曲が2ndからという選曲であり、すでにリリースされていたはずの3rdからは1曲もなかったりして、収録時期には疑念がないわけではない(やはり、'79年の音源では?)。いや、そんなことはどうでもいい。1stと2ndからの選曲ということは、イコール、名曲のオンパレードということなのだ。甘口ながらも哀しみを湛えたメロディが、手厚いキーボードに包まれて次から次へと繰り出される様は、まさしくアメリカン・プログレ・ハードの理想型である。スタジオ盤と比べると、ハーシュ・ガードナーのドラムが異様に元気で、ドライヴ感を倍増させている。終盤では、あの不滅の超名曲"Explorer Suite"まで炸裂してしまう。この曲は、眼前にそびえ立つ山脈のような圧倒的なコーラス、そこへ何重にもかぶさるキーボード、芝生の丘も砂浜もすべて駆け抜けてしまうピアノの連打、それを上から包み込むメロトロン、すべてを突破して宇宙へ突き抜けるような目眩く壮大な曲展開と、あらゆる要素が美の極致を形成しているのであるが、それをライヴでやってしまったわけである。
 このバンドは、ついこの間までは、一部のマニアだけが知っていて、ひっそりと口伝えで語り継がれるような存在だった。スタジオ盤がCD化されてからも、活動時期の短いバンドだっただけに、正式なライヴ音源の存在などほとんど考えられなかった。しかし、裏ジャケの写真を見ると、ジョン・ファノンは前でギターを弾いていて、ゲイリー・シェアジミー・ウォルドーは左右に位置していて、ハーシュ・ガードナーは後ろでドラムを叩いていたのである。確かに彼らは、生きて存在して、動いていたのである。
 ふと思いついて、"Explorer Suite"の訳詞を読んでみた。この曲は、地上に残された人が宇宙を漂う冒険者に向かって「早く帰ってきて下さい」と呼びかけている内容である、というのは知っていたが、よく読むと、これは子供から父親に対して言っているようなのである(サビのバック・コーラスとファノンのかけ合いも、実は、子供と父親のやりとりだったのだ)。だとすると、必ずしも相手は実際に宇宙にいるとは限らないのではないか。例えば、妻子を捨てて家出した父親に対して残された子供が言っているとか、あるいは、何かの理由で植物人間状態になった父親に対して意識回復を呼びかけているとか、さらには、実は父親はすでに亡くなっていて、それを知らされていない子供が言っているとか…。      (Olias)