LUNASA / LUNASA
 若手5人組のアイルランドで活動するバンドで、全てインスト。'98年リリースの1stは11曲中8曲がライヴ…といっても、曲の終わった後に拍手のあるか、ないかぐらいの違いしか分からないけど。やっていることは伝統的なアイリッシュ・ミュージックそのまんまで、BOHTY BANDが例えられていますが、確かにそんな感じです。イーリアン・パイプが主に活躍しています。歌曲がなく、ひたすらインストなのが頑固さも感じますが、マイナスでもあります。遊び無さ過ぎ、個性無さ過ぎ。スピーディーな曲や、のりのりの曲はいいとして、静かな曲はちょっと退屈かもしれません。…でも、聴いた後で心に残っているのは、そういった静かな曲でして、切々と心にうったえてくるのかもしれません。世間一般の評価は高いようです。来日もしたし。 (純生)


THE MASK AND THE MIRROR / LOREENA McKENNITT
 カナダ出身のハープ奏者兼女性Vo。5作目。日本での出世作。このアルバムのリリース後に、CHIEFTAINSと一緒に来日公演も行っています。私が初めて聴いた彼女のアルバム。輸入盤も出ているのですが、彼女のことを出来るだけ詳しく知りたいので、真面目に日本盤を買う。「解説:伊藤政則」の文字に唖然とした; 彼女自身による曲解説も付いている。でも、日本盤なのに、中身はドイツ盤だった; ドイツ盤がパッケージされたものと日本製のブックレットと、帯を加えてパッケージしたもんだった。日本製ブックレットに(国内盤−輸入盤)の差額を払ったのかと思うと、ちょっと腹がたつ。例えそれが目的であったとしても。
 清らかで美しい声だ。演奏は古典的なハープやヴァイオリン、チェロなど楽器が用いられている。現在が'90年代であることを忘れてしまいそうな。解説にはしきりと「宗教音楽」と表現されている。荒んでいる私の心を必ず癒してくれるのだから、そうなのかもしれない。影響を受けているのはケルトだけでなく、スペインの音楽もあるそうだ。やさしい雰囲気の曲がケルトで、ちょっと元気な曲がおそらくスペインなのだろうな。彼女はカナダ人なのだが、アイルランドにも住んだことがあるとのこと。またアイルランドの有名な詩人イエイツの詞をも曲に用いているほどの熱の入れようである。おまけにアイルランドのミュージック・シーンにおける超大物らしき人も参加しているとか。(純生)


RANAROP - CALL OF THE SEA WITCH / GJALLARHORN
 デス中古コーナーから拾ってきた、ブルーの色合いで女性の後ろ姿という美しいゴシック・メタルかなんかを想像させるジャケットのもの。が、ブックレットをあけると、ゴシックでもデスでもなんでもなく、どうもトラッドのようでした。念のため、最近買ったトラッドのカタログ本をチェックすると、なんと載っていました。由緒正しい(?)トラッド・アルバムだったのです。らっきー(笑)。'97年リリースの女性Voを擁する4人組、スウェーデンの新鋭のバンドとか。ノルウェーとスウェーデンのトラッドのメロディは近いものがあるのでしょうか。私はノルウェーのトラッド・アルバムは5枚も聴いていないけども、アイリッシュのそれとは違うメロディ・奏法のフィドル、それとなんの楽器だか分からないけど、びよーん、とか、ぐわーんとかの形容がぴったりの音色の楽器がバックで演奏されているのが特徴なのだと思っていました。このアルバムで聴けるのも、まったく同じでそんなサウンド。女性Voは巻き舌で可愛らしく、そしてしっかりと歌います。ま、しびれるほど、めちゃくちゃいいってわけでもないけど。わりと伝統的なスタイルに忠実なのかな? たまにスリリングな演奏も待ち受けています。明るい雰囲気もいいですね。ま、アイリッシュばかり聴いている私には、新鮮さも手伝って、楽しんで聴けます。14曲60分弱もあるので、後半はちょっと飽きますけど。  (純生)


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