THE SINGLES COLLECTION '96-'97 / DROPKICK
MURPHYS
B!で紹介されていたアメリカ出身のパンク・バンド。イーリアンパイプ奏者もいて、思いっきりアイリッシュで、THE
POGUESみたいなのだとか。最新アルバムでは、ゲストで元THE
POGUESのShane Macgowanも参加しているのだとか。これは面白そうだ! 聴くしかない。と、最新作もいいかもしれないけど、少しでも安いもの…しかもシングル集なら、いい曲ばかりだろうと、これを買ってきたわけです。しかも怒濤の24曲収録です。…オープニング、いきなりイーリアンパイプの音が! そしてそのままパンクな曲調になだれ込みます; のりのりです。「おいおいおい!」とかかけ声が入ってしまいます。曲後半でまたイーリアンパイプが入ってきますが、本質はTHE
POGUESとは違ってパンクそのものです。でも、こののりがとても楽しい。しかし…2曲目以降、イントロでもアイリッシュな音が出てきません; 後半はライヴが11曲続くのですが、そこで再びイーリアンパイプがイントロで使われてますが。あと1曲、ティン・ホイッスルが入る、THE
POGUESみたいな長閑な曲は確かにあります。カヴァーもいくつか収録しているようで、確認できたのはCLASHの"Career
Opportunities"と"White Riot"(懐かしい!)、それと"Billy's
Bones"はTHE POGUESのカヴァーのようです。曲中にAC/DCの"TNT"も登場してきてました。…最後に、素直に最新作を買ってみればよかった。 (純生)
FLESH & BLOOD / MADDY PRIOR
イギリスの老舗トラッド・バンドSTEELEYE SPANの女性Voの'97年リリースのソロ・アルバム。オープニングの"Sheath
& Knife"が名曲レベル。彼女の清々しいVoが強調されている曲です。楽しいケルトな歌メロの曲ではなくて、シリアスな感じがします。アカペラの"Honest
Work"は彼女の歌の巧さと力強さを伺い知ることが出来る…というか、ぞくぞくしてきます。"Hind
Horn"も"Sheath & Knife"に似たタイプの曲で、とても好きです。静かな"Cruel
Mother"から、そのまま間を空けずに、まるで一つの曲のように自然と"Boy
On A Horse"が始まるのですが、この曲の力強いピアノをメインとしたドラマティックな盛り上がりが素晴らしい。このアルバムの中で一番感動をさせられる曲です。イーリアン・パイプのみが演奏される曲があったり、ティン・ホイッスルも出てきたりとケルトっぽさもあります。意外にも、素晴らしいアルバムでした。楽しければいいと思っていたのに、そうじゃなくてぞくぞくさせられました。
(純生)
CELTIC LOVERS / MAIRE BREATNACH
アイルランド出身の女性フィドラーの'97年リリースの4thソロ。この人のソロは初めて聴くのですが、彼女が参加したアルバムというのは、やたらたくさんあるようで、私もいくつかのアルバムは聴いていました。Mary
Black, ALTAN, ドロレス・ケーン, Sharon Shannon…はたまたMike
Oldfiledのアルバムなどにもセッション参加しているそうです。プロデューサーなどもされているそうで、日本においては、ゲーム・ソフト「ファイナル・ファンタジー」の音楽をアイルランドちっくで聴かせる『CELTIC
MOON』、連ドラ「凍りつく夏」の音楽も担当しているのだとか…。忘れてはいけないのが、アイリッシュ・ミュージカルRIVERDANCEの初代のフィドラーなのだとか。…そんな輝かしい経歴を持っている彼女なのですが、このケルト神話に登場する恋人達をモチーフにした全曲インストのコンセプト・アルバムは、ごく普通の静かなアイリッシュ・ミュージック。たまに元気なダンス・チューンがあるけど、とても上品な感じで、物足りない。とにかく、このアルバムを聴く限りでは、典型的なアイリッシュ・フィドラーであって、個性はないです。美形というわけでもないですしね;
(純生)