LONG DISTANCE / RUNRIG
 スコットランド出身の'70年代から活動するロック・バンドの'96年リリースの2枚組ベスト・アルバム。スコットランドでは人気ナンバーワンなのだと。ケルトっぽさはそんなにはなくて、ほのかにある感じ。私はBIG COUNTRYとかを思い出しました。曲によって、フィドル、イーリアン・パイプ等が入ってきます。ベストなので曲がとても多くて、ちょっと聴くと疲れる部分もあるのですが、BGMにしちゃえば、ケルトのメロディだけでなく、男性Voの歌メロの良さも分かってきました。ライヴが2曲収録されているのですが、オーディエンスがケルトっぽいメロディの歌メロを大合唱してしまう部分は非常に感動的です。そして合唱が終わると同時に強力なドラムは入るあたりはロック・バンド。 (純生)


THE LONG BLACK VEIL / THE CHIEFTAINS
 このアルバムは多数のゲストが参加してる作品集です。ゲストはスティング、ミック・ジャガー、シンニード・オコーナー、ヴァン・モリソン、マーク・ノップラー、ライ・クーダー、マリアンヌ・フェイスフル、トム・ジョーンズ、ローリング・ストーンズなどです。ほとんどが、トラッドをパディ・モローニーがアレンジした曲です。アイリッシュ楽器がふんだんに使われていてアイリッシュとロックがうまくマッチしたアルバムだと思います。ですからチーフタンズらしさはもしかしたらないのかもしれません。わたしはチーフタンズを聴いたことないので何ともいえません(笑)。でもロックファンがケルト音楽に興味を持つのに良いアルバムといえるかもしれません。ライナーノーツを読んでて、ミック・ジャガーのソロ・アルバムの『プリミティブ・クール』でパディとショーン・ケーンがバッキングを担当って書かれてて…。それが、わたしが大好きな"パーティ・ドール"という曲でした。大好きなのに、漫然と聴いてたので、また引っ張り出して聴いてみました。たしかに凄くケルトのアレンジがされていました(笑)。このチーフタンズのアルバムはほのぼのとしていてとても癒されました。   (ハンナ)


O ESPIRITO DA PAZ / MADREDEUS
 ポルトガルの女性Voを擁するクラシカルな民族音楽をやるバンド。'94年リリースの4thで邦題は『陽光と静寂』。インスト面がかなり重視されている音作りで、かなり繊細。刻まれるアコギをリズムにして、アコーディオンの音色が鳴り響きます。ただし静かな曲がほとんどで、とても眠くなるかも。元気な曲は2曲だけです。"O Pastor"は代表曲なのでしょうか。以前にも聴いていたせいもあってか、とても気に入ってます。女性Voが歌メロが情熱的なところがいい。もう1曲"Os Senhores Da Guerra"は同郷のゴシック・メタル・バンドMOONSPELLがカヴァーした曲で、MOONSPELLほど力は入りませんが、MADREDEUSのも、ぐぐっとそれなりに力強いメロディです。MOONSPELLのセンスの良さに乾杯。  (純生)