SAIL OG RUA / DOLORES KEANE, JOHN FAULKNER
 元DE DANNANの女性Voというよりも、ソロでのキャリアの方が知られる人かもしれないDolores Keaneと、イングランド人で当時は彼女の夫であった(過去形)John Faulknerとの連名のアルバム、'83年リリースの3作目。日本盤も出てまして、邦題は『赤毛のサァール』。私はDoloresというと、来日公演での迫力ある歌が印象的で、曲としてはケルトケルトしてはいませんでした。DE DANNANのアルバムも聴いたけど、それは彼女が大活躍していたわけでもなくて、彼女の印象は薄い。で、この連名のアルバムは初めて聴きますが、彼女の歌だけじゃなくて、インスト曲もあったりして、かなり正しいケルトと思います。ここで聴くことのできる彼女の歌は、力強いというよりも、とても優しいです。アカペラを数曲歌っていますが、背中に手を添えられているような優しさをも感じます(癒されたいのか?)。インスト曲は、フィドルが活躍してます。きっと来日公演でもこのアルバムからの曲も演奏されたのでしょうね。 (純生)


LIVE / FAIRPORT CONVENTION
 ブリティッシュ・トラッド・バンドの'74年リリースのライヴ・アルバム。歌姫Sandy Denny在籍時です。いきなり8分弱の"Matty Groves"ですよ。実際のライヴのオープングもこれだとしたら、順番間違えていると思う。もっと終盤にとっておこうよ!とか余計なことを思います。前半のSandyが歌い上げるパートもいいですが、後半のギターとフィドルの掛け合いは素晴らしいです。ライヴということで、多少すかすかしている感もありますけど。で、他の曲は、曲名見ただけだと認識している曲が1曲もないんですよ(笑)。なんて、がっかりなライヴ・アルバムだと思ったんですが、聴けば、あの曲かとなんとか分かります。歌部分よりも、インスト部分におけるフィドルの速いプレイが個人的には聴き所かも。"Sloth"は11分にも及ぶ曲。この曲も"Matty Groves"に似ていて、前半は歌メロが優しい歌曲。後半は怒濤のインストに突入します。ギターとフィドルがはもるスリリングな部分が素晴らしいです。これまでもどこかで聴いている曲ですが、やっと曲名もこうやって覚えた上で名曲であると認識できました。"Down In The Flood"Bob Dylanの曲です。"SirB MacKenzie"はケルト・ファンの純生が喜びそうなシンプルだけど、フィドル弾きまくりのダンス・チューン。   (純生)


MAGICAL RING / CLANNAD
 アイルランド出身の女性Vo擁するトラッド・バンド。'83年リリースの8作目。'70年代から活動しているバンドで、聴いたことないけど初期は普通の正しいケルトのようです。それがいつ頃からか、個性を持つようになりました。ケルト色はなくはないんだけど、希薄。モダンで透明感と浮遊感があるサウンド。一時期、EnyaがKey奏者で在籍していたことがあったけど、Enyaの音楽と正しいケルトの中間のようなサウンド…と言ってしまうのは強引か。このアルバムでは正しいケルトな曲もやっているけど(わりとどうでもいい感じの曲)、エレクトリック・ギターのソロが大胆に入ってしまうモダンな曲もある。正直、初期じゃないこのバンドは面白くないと思う。でも、中古で安かったので念のため買ってしまった。オープニングの"Theme From Harry's Game"はバンドの代表曲と思う。とてもふわふわしている曲。印象的な曲だけど、CLANNADと言えば、私もこの曲を真っ先に思い浮かべるけど、好きな曲というわけではない。    (純生)