DRUNLEN LULLABIES / FLOGGING MOLLY
 元FASTWAYKATMANDUDave King率いるケルティック・パンク・バンドの'02年リリースのアルバム。聴くのは2枚目ですが、やっぱりいいです。特に新しいことをやっているわけでもなくて、基本路線は何も変わってません。ケルトのメロディを全面に出した元気なパンクをやられています。POGUESをもっと元気にした感じ。Daveはメタルを歌っていた頃とは違って、吐き捨てるように歌ってます。静かなパートでは、しっとりと昔を想起させてくれるように、いい声で歌い上げていますが。華のあるケルトな楽器はフィドルとアコーディオンが揃ってます。フィドラーはおねいさんです。彼女はティン・ホイッスルとイーリアン・パイプも演奏しています。それにしても、前作と同じなのに、なんでこうにも聴いていてわくわくさせてくれるのでしょうか。ぞくぞくとしてしまいます。こういうロックなケルトが好きなんでしょうね。楽曲もある意味ワン・パターンですが、そんな中にもそれぞれの曲に個性を見つけることは出来ます。"Another Bag Of Bricks"はケルトなんだけど、中近東メロディが入っていて面白い。"The Son Never Shines (On Closed Doors)"は静かなバラードで、女性Voも入ってきます。フィドラーのおねいさんが歌っているみたいです。"The Kilburn High Road"はこのアルバムで唯一、すごいエレキ・ギター・ソロがかき鳴らされます。びっくりしました。エレキ・ギター奏者はメンバーにいるのですが、目立ったプレイはされてないのですよ。というわけで、今年のベスト・アルバムの1枚に決定です。人に薦めるという行為はあまりしないほうですが、このバンドは薦めるというよりも、FASTWAYやKATMANDUが好きだった人たちにバンドの存在を知ってもらい、アルバムを聴いてもらいたい気分ですよ。   (純生)


STOCKHOLMSPOLSKAN / LENA WILLEMARK & STEFAN BRISLAND-FEMER
 昨年秋にスウェーデンの女性Voラジカル・トラッドGARMARNAのライヴを見た時に会場で買ったもの。GARMARNAの聴いてないアルバムも売っているんだから、そちらを買えばいいのに、ライヴ会場限定販売という貴重価値性につられて、メンバーのプロジェクトの2曲入りシングルを買ってしまいました。タイトル・トラックは3分ちょっとの曲で、もう1曲はそのインスト…悪く言えばVoを抜いただけ! ゆったりと始まって、途中高揚を感じるいい曲ですが、めちゃくちゃいい!というわけでもなく。そして1,200円ぐらいしたかなー。高いですよ。こうやって自慢しなければ報われません。つうか、誰がそれいい!とか思うのよ。   (純生)


BAND OF GYPSIES / TARAF DE HAIDOUKS
 13人組のルーマニアのジプシー音楽集団の'01年リリースのライヴ・アルバム。これまで来日公演は2回見ているのですが、アルバム聴くのは初めてです。理由があります。バンド最年長のフィドルのニコラエ爺さんが亡くなっちゃったんですよ。フィドルの弦をギギーとする技を持っていたんですよ! つうわけで追悼の意味で、次の来日まで待てないので、アルバム聴いて、楽しみつつも、しんみりしてます。何故か涙出ちゃう。ライヴの最初と最後はそのニコラエ爺さんのぎぎーの技がフーチュアされたインスト曲なのですよ。そして本編のオープニング"A l Turk"は豪華に全楽器の音が出てしまう踊れる曲です。私が聴く新しい音楽ですよ。これがジプシー音楽なのかと。入門編にしては超最適です。フィドル、アコーディオンだけではなく、ケルトだけ聴いていたのでは分からない楽器が鳴らされているのがいいです。"The Return Of The Magic Horses"は軽快ながらも超高速フィドル&アコーディオン・プレイが堪能できます。本編ラストの"Bride In A Red Dress"も凄い盛り上がり。お客さんの方じゃなくて、演奏する側のですが。Vo曲もいいけど、インストの方が演奏の凄さ、盛り上がる高揚感を楽しめるかな。今年の夏に再びイベント「ジプシー・サマー」が開催され、TARAFが3度目の来日公演を果たします。とても楽しみ。  (純生)