CROSSING THE BRIDGE / EILEEN IVERS
 来日公演は2回も見ているけど、アルバムを聴くのは初めてです。ニューヨークの女性フィドラーの'99年リリースの3rd。彼女の特徴はブルーのエレクトリック・フィドルで、エレキ・ギターみたいな音を出してしまうこと。また活動の場がニューヨークということもあってか、閉鎖的なケルト音楽ではなくて、他のジャンルの音楽を取り入れてしまっていること。よって、アルバムはバラエティに富んだ楽曲から構成されていて、かなり楽しめます。オープニングの"Gravelwalk"はフィドル弾きまくりのアグレッシヴな曲。"Jama"はアフリカ民族音楽っぽいコーラスが入る面白い曲です。"Whiskey & Sangria"はサングリアなんてタイトルもそれっぽいのですが、スパニッシュ・ギター入りのフラメンコ・ダンサーが踊りそうな曲。"Crowley's/Jackson's"はフィドルをスピーディーに弾きまくる曲…こんなわりと正しいケルトな曲もあります。   (純生)


TIERRA DE NADDIE/NO MAN'S LAND / HEVIA
 スペインのバグパイプ奏者の'99年リリースのアルバム。日本盤もリリースされ、世界中で数百万枚売れたとかで、かなりヒットしたアルバムのようです。スペインのバグパイプ奏者というと、私はCarlos Nunezしか知らないのですが、彼の作り出す音楽よりも、ケルト度は低くて、モダンで、ヒーリング・ミュージック的な部分があるようです。バグパイプを弾いているバックで、Enyaみたいな女声コーラスが入ってきたりとか。エスニック風?の女性Voが入ってきたりとか。フィンランドのVARTTINA風のコーラスが入ってきたりとか。バラエティに富んでいて、ワン・パターンになっていなくていいかも。バグパイプはわりとさらーと余裕でこなしちゃっている感じがあって、熱いものとか、魂とかか、そういう抽象的なものは感じられません。あっスペインっぽくない! (純生)


SHOOT OUT THE LIGHTS / RICHARD AND LINDA THOMPSON
 元FAIRPORT CONVENTIONのギタリスト…という表現が適切なのかは分かりませんが、私はそういう認識。以前にソロ・アルバムを聴いたら異常につまらなくて、その後は中古で800円とかでも買うのを躊躇しちゃっています。アルバムたくさん出している人のようなので、名盤というものが存在するんだとは思うのですが。で、奥さん?のLinda Thompsonとの連名アルバムが中古で落ちていたので、女性Vo入りならば、面白いかもと思って、拾ってきました。あっ、Lindaが女性Voであるというのは勝手にそう思っただけで、タンバリンとかだったらどうしよう?とかいうのはその時は思わなかったですよ。で、実際には歌っているだけなんですけどね。'82年リリースのアルバムで、再発CD化に伴いボーナス・トラックが1曲追加されてます。オープニング"Don't Renege On Our Love"Richardが歌ってまして、テンポがよくて、彼らしいエレキ・ギターの音が聞こえてきます。いい曲です。2曲目"Walking On A Wire"はLindaが歌ってます。ゆっくりと歌を聴かせてくれる曲で、声も歌メロもSandy Dennyに似ています。この2曲は特に気に入りました。デュエット曲になると、Richardの声に、Lindaの声が消されてしまって、いまいち印象に残らなかったりします。それでも、連名のアルバムはもちろんのこと、Richardの私の中での株も上がったことだし、また中古で買ってみようと思います。あと、FAIRPORTのBのDave Peggも参加してます。    (純生)