COLLECTION PART TWO / CHRISTY MOORE
 Donal Lunnyも在籍していたPLANXTYというケルトでは大事なバンドの一つがあるのですが、そこのVoだった人。ソロの方のキャリアの方が長いみたいです。てゆうか、カタログ本ではアイルランドの国民的英雄…という最大級の賛辞が書かれてます。私はやっと聴くことが出来ました。'97年リリースのベスト・アルバムです。楽曲は踊れるようなケルトではなくて、アコギがメインのわりとシンプルなのかも。地味。でも、そんな中にいいメロディが含まれているわけなのですが。で、歌がやっぱり素晴らしいです。ぼそぼそと話すような素朴な歌ながら、非常に味わい深いというか。伸びやかに歌う曲もあります。男性Voなんぞにはなかなか心揺れない私が、聴いた瞬間からぞくぞくとしてしまいました。全17曲、どれもいいのですが、いくつかをピックアップしてみます。"Rose Of Tralee"はエンディングがいきなりライヴになってしまい、オーディエンスとの大合唱で閉められます…すごい! "Viva La Quinte Brigada"はステップ・ダンス付き。"North And South"U2BonoEdgeとの共作曲です。共演でもあるのでしょうか? クレジット上はそこまでは分かりませんでした。   (純生)


DERMOT BYRNE / DERMOT BYRNE
 今はALTANのメンバーであり、Maireadの旦那でもあるアコーディオン奏者Dermot Byrneが、まだALTAN加入前の'95年にリリースしたソロ・アルバム。Donaly Lunnyなどギターやブズーキを演奏するミュージシャンも参加しているのですが、アコーディオンが当然メインで、ひたすら弾きまくっているという印象。おそらくは正しいケルトをやられていて、いささかシンプル過ぎるという印象。同じアコーディオンのソロ・アルバムということならば、他ジャンルにも手を広げているSharon Shannonの方が楽しめるかも。聞いたことのあるメロディもいくつかあります。ライヴ音源も多数収録されてます…お客さんはとても静か。最後の"Tico Tico"だけはお客さん盛り上がってます。この曲はLatin Amercanという曲の種類?(JigsとかReelsとか)になってます。流れるメロディも素晴らしいし、テクニック的にも申し分はないです。  (純生)


IN CONCERT / GAY & TERRY WOODS
 '70年代にアイルランドで初めてフォーク・ロックを取り入れてシーンに影響を与えた男…という日本盤の帯そのまま拝借なのですが、重要なブリティッシュ・トラッド・バンドSTEELEYE SPANの参加したものの、すぐに追い出されたGayTerry夫妻は、アイルランドで同じようなサウンドをTHE WOODS BANDでやることで、歴史的名盤を作り上げたそうです。そっちは聴けていないのですが、これは'76年と'78年のライヴ音源で、'95年に日本盤もリリースされています。ライナーはびっちりと夫妻の歴史が書かれていてとても参考になりました。ライナー執筆者の思い入れもたっぷりで、熱い文章。好きです。で、STEELEYEやFAIRPORT CONVENTION同様なサウンドで、Gay Woodsのいかにもこの手を歌うのに相応しい歌声にとてもしびれましたよ。聴いた瞬間に、私の中では英国トラッドの2大バンドと同じ位置になっちゃいましたよ。2大バンドと同じように、片っ端から聴いていきたいです。飽きちゃってもね。フィドルとか分かりやすいケルトな楽器はないけど、エレキ・ギターとして歌メロでそれは表現されています。ちなみに私が忘れない為に書いておきますが、Terry WoodsはPOGUESにも参加しています。またこのアルバムもケルトのカタログ本で紹介されている由緒正しいアルバムです。聴いて良かった!   (純生)