BROKEN HEARTED I'LL WANDER / DOLORES KEANE & JOHN FAULKNER
 元DE DANNANの女性Voと、英国のシンガーJohn Fauknerとの合作アルバム。'81年リリースの1st。2人の合作アルバムを聴くのは2枚目です。特にこの1stはカタログ本においては、アイリッシュ・トラッドの'80年代の名盤10枚の1枚にされています。私はそんな権威主義に弱いのですが、やられていることは、ごく普通のアイリッシュ・トラッドです。ダンス・チューンもありますが、それよりも歌曲重視。でも、普通じゃないのは、Dolores Keaneの歌声の素晴らしさです。もうソロも何枚か聴いているので、驚きこそはないものの、じわーっと良さが心に浸みてくる感じです。たしか3rd『SAIL OG RUA』ではJohn Faulknerは歌っていたかったと思うのですが、この1stでは数曲で歌っているのですが、普通過ぎるので、正直いらないと思いました;   (純生)


CASTELLUM BONESTI / MILLADOIRO
 '70年代後半から活動しているスペインはガリシア地方のケルティック・バンドの'79年リリースのおそらく1st。このバンドは、かなり昔のケルティック・フェスティバルというケルト文化のイベントで来日公演を行っていて、私も見ています。アルバムを聴くのは今回がやっと初めてです。イーリアン・パイプより力強い音を出すガイタ、それからクラリネットというちょっと普通のケルトじゃない楽器が使われていること、あとは土地柄なものもあるのだろうけども、やられていることも普通のケルトじゃないのがとても魅力的です。もちろん同じ土地出身のガイタ奏者Carlos Nunezのやる音楽に通じるものがあるし、のりのいいダンス・チューンなんかはまるで同じっぽい。Voなしで、全部インストです。静かな曲よりも、元気な曲の方が好き。そしてやっぱり普通のケルトじゃないから面白い。もう1枚買ってあるので、近いうちに聴けるでしょう。    (純生)


A GIANT OF SILVER / SILLY WIZARD
 '70年代から'80年にかけて活動していたスコットランドの代表的なトラッド・バンドなのだとか。本作は'86年リリースのアルバム(って、もしかしたら、CD化された年かも)。私は初めて聴きます。このバンドのメンバーの関連のアルバムはちらちらと聴いてます。フィドル、アコーディオン、ホイッスルといった華のある楽器があって、男性Voがいい声で歌ってくれます。んー、そんなに個性的でもないし、普通のケルトかなあ。それでもって、むちゃくちゃいいわけでもないし。でも、"Lover's Heart"のサビのコーラス部分が心に染みました。それとダンス・チューンの"Simon Mackenzie's Welcome to His Twin Sisters / Farewell to "The Heb"は、どってことない曲なのですが、アコーディオンとフィドルの演奏がとてもフックが強くていいなーとか。    (純生)