BORN / HOTHOUSE FLOWERS
 アイルランドのロック・バンドの'98年リリースの再結成アルバムにして、4th。VoのLiamがバンド解散中に、ケルト関連のプロジェクトに参加したり、Donal Lunnyと一緒に来日したり…なので、歌がとても上手いケルト関連の男性Voという先入観でバンドの方も聴いてみることになるのですが、バンドの方はほとんどケルトはなし(笑)。ま、それでもこの艶っぽいVoは魅力的なので、中古で見つけたら買ってしまっています。本作は解散前と変わらぬ落ち着いた大人のロックを聴かせてくれます。'70年代的だったり、逆にモダンだったり。メタル耳にはとてもじゃないけど、ゆるゆるなのですが、たまにはこういうのもいいんじゃない?的なものもあり、むちゃくちゃ名曲!というのも浮上してこないけど、どの曲もそれなりに魅力的。ケルトじゃないから、曲がワン・パターンにはならない。そして曲がとっちらかったとしても、Liamの魅力的な歌でHOTHOUSE FLOWERSの曲にしてくれている。"Forever More"…バックのメロディとは関係なく早口で歌われる歌メロにぞくぞくする…なんかの曲に似ていて、喉まで出かかっているのですが…。(純生)


WIDE BLUE YONDER / THE OYSTER BAND
 イギリスのケルティック・ロック・バンドの'87年リリースのアルバム。もう聴くのは5枚目ですが…どのアルバムも同じです; ケルトのメロディを取り入れて、フィドルやコンサルティーナ(アコーディオンみたいなの)といった楽器も入ってきます。もろにケルトじゃないので、その分物足りなさもあるのですが、逆にケルトに拘ってないから、曲の可能性が広がっているように感じます。いい歌メロの曲が多いです。女性Vo入りの"Oxford Girl"、ケルトに拘っていたらこんな素晴らしい歌メロは書けないと思う"Flatlands"あたりがお気に入りです。他にも陽気なメロディの曲ばっかり。ますますこのバンドが好きになった1枚でした。14曲収録はちょっと多過ぎですけど。(純生)


THE BOOK OF KELLS / IONA
 アイルアンドの女性Vo擁するケルト・バンドの'92年リリースの2nd。日本盤が出ています。邦題は『ケルズの書』。来日公演もしてますよね。私は以前に1枚だけ聴いていて、女性Voは普通にきれいな声だけども、あまりケルト入ってないので、つまらないなーと思ったのです。時が流れ、私の趣味も変わってきた。ケルトだけだったら、個性なくてつまらないのですよね。その点このバンドは、ケルト入りのプログレという感じ。インストも重視されてまし。それが個性。音の広がりが素晴らしくいい。ひたすら爽やかな音作り。行ったこともないのにアイルランドの緑の大地が曲を通して感じられるような。おねいさんの歌も伸びやかで果てしなくきれいな歌声で、いいですわー。ライナーに書いてあるのですが、確かにALL ABOUT EVEのおねいさんに声が似ている! Voだけでも充分に魅力的に思えてきた(笑)。昔、つまらないと思ったアルバムを聴き直してみます。(純生)