ALEYN / JUNE TABOR
 ブリティッシュ・トラッドの女王とされるJune Taborの'98年リリースのアルバム。その圧倒的な歌声に衰えはまるでないのだけども(というか、ますます円熟味が増している?)、ジャケットやブックレットのお顔を見ると、年取ったなあ…おばあさんになっちゃったなあ…とちょっと辛いものがあります。私はこれで聴くのは4枚目。バックの音楽性はたぶん何も変わってないんじゃないか。アコーディオンやフィドルなど、トラッドの楽器の音はするけども、それはあくまでも、ゆっくり音を奏でているだけであって、Juneの歌を邪魔しない程度に音を出している。ほとんどアカペラのような感じ。静かで繊細な音楽をバックにJuneが言葉を置いていくよう。時には優しく、時には情熱的に。モダン・ジャズっぽい曲なんかもやってます。トラッドの曲が半分ぐらいかな。凄いなあと思い聴きつつも、私は正直飽きてきたかも。大胆なことを言えば、どのアルバムも同じだしなあ。(純生)


ELEMENTAL / LOREENA McKENNITT
 カナダのケルトな女性Vo兼ハープ奏者の'85年リリースのアルバム。久しぶりに聴きますが、彼女の天使のようなお声には癒されますなー。むちゃくちゃ優しく柔らかい歌声です。それでいて、ぐっと情感込めたりもしてくれます。本作は彼女はあまり知られてない頃の自主制作盤でしょうか。もしかして1stかな。
"Blacksmith"とか"She Moved Through The Fair"といった有名なトラッド・チューンを主体に、オリジナル曲もやってます。土着っぽいケルト音楽ではなくて、ハープなどの繊細な音に彩られたクラシカルかつモダンなケルト音楽をやられているのが特徴でしょうか。アイルランドの有名な詩人イエィツの詩を彼女が曲にした"Stolen Child"もいいですなあ。


SHINE / MARY BLACK
 アイルランドの女性Voによる'97年リリースのアルバム。聴くのは3枚目ですが、これまで聴いた2枚と大きくは変わらないかなあ。圧倒的で力強くも情感的なVoは魅力的に感じます。アイリッシュのメロディは薄い目かなあ。フィドルとかもクレジットされている曲もあるけども、上品に音が色づけされている程度。モダンで上品な大人のロックといった感じ。どっぷりとアイリッシュじゃないだけに、曲の個性は目立っているかな。
"One and Only"とか"Late Night Radio"は印象的で好き。Richard Thompsonの書いた曲なども歌ってます。(純生)



'08.04.21 / It's So Easy