IF I SHOULD FALL FROM GRACE WITH GOD / POGUES
 今頃こんなん聴いて喜んでいるのは私だけでしょうか? 今までPOGUESは見て見ぬふりをしてきたのですが、このアルバムくらいは聴いとく方がええかも、と思って中古で拾ってきました。理由はもう一つあって、"ニューヨークの夢"が聴きたかったから。で、その曲"Fairytale Of New York"なんですが、素敵な曲ですね。短編映画を見ているような情景が浮かぶ曲であります。これはクリスマス・シーズンの定番ですな。カースティ・マッコールが参加しているとは知らなかった。他の曲は噂通り、お下品でガラが悪くて楽しい。オープニングのパンキッシュ・カントリー風のタイトル曲ですっ飛ばした後には、いきなりのアラビアン・モードの"Turkish Song Of Damnd"に、競馬で大穴当てて云々というそれだけの曲"Bottle Of Smoke"と、延々とおバカなノリが続く。と思ったら、シェイン・マクゴウワンのシニカルが視点が光る"Streets Of Sorrow〜"の硬派な一面も見せる。やっぱり元パンクスだけのことはある。楽しかったので、他のアルバムもチェックしてみよう。(あをやまたけし)


RIVERDANCE / BILL WHELAN

 RIVERDANCEとは…アイリッシュ・ミュージックのダンスのミュージカルみたい。実際にも映像でも見たことはないが、このアルバムはそのサントラのようです。オープニングの"Reel Around The Sun"…ジャケットから想像するに二十人からのタップ・ダンサーの足音が聞こえてくる。曲はアイリッシュのメロディーびしばしのダンス・チェーンです。そのメロディに足音がはもるところは実に感動的で、歩きながら聴いているとこっちまで踊りたくなってしまうぐらい。何度かそのスケールの大きさに涙しました。このアルバムが全部こんな調子だったら、私は涙が枯れてしまうところだが、大半は女性Voがしっとり歌ったり、静かなエアーだったりする。タップの足音も聞こえてこないので、つまらなかったりする。ま、他に数曲は期待通りの楽しいダンス・チューンを聴くことが出来る。(純生)


NIGHTFALLERS / MAE McKENNA
 CAMELの『HARBOUR OF TEARS』の冒頭で美しい歌声を聴かせてくれたMae McKennaの'88年リリースのアルバムを拾ってきました。普通のコンテンポラリーっぽい曲もあるけど、ケルトな雰囲気の曲が多数を占める。女性Vo、そしてコーラスがきれいなアルバム。イーリアン・パイプとバウロンがバックの"Visions Of Time To Come"はダンス・チューンに歌を入れたような曲で、思いっきり和めます。でも、CAMELの"Irish Air"ほど感動した曲はなかった。ライナーには元MSGのTed McKennaとは兄姉か親族らしいと書かれているが、本当なのか? (純生)


WAITING FOR HERB / POGUES
 '93年リリースのアルバム。トラッドをパンク風に演奏するバンド…というのはVoであり主役であったShane McGowanが在籍時代に相応しい説明なのかも。彼が脱退したこの時期は、トラッドをロック風に軽快に演奏する。あるいはトラッドで用いるアコースティックな楽器でロックを演奏する。どっちにしろそんなに大差はない。フル・アルバムを聴くのはまだ2枚目なのだが、強烈な個性を感じるのは変わりない。その個性がワン・パターンでもあるけども、無個性よりはずっといい。VoがShaneよりも荒々しくない分、曲そのものも凄く優しい雰囲気なのだ。改めて、このバンドは気に入ったよ。熱くなれるような曲はない。でも毎日聴いても飽きないと思う。それに、こういうバンドのライヴこそが見てみたいものである…あー忘れていた; POGUESのブート・ビデオを安く買っていたのに、全然見ていないやー; あー探して見なくては。
 SEでパチンコ屋のBGMとか「ラッキー・チャンス」とかが聞こえてきて、沖縄風の軽やかなメロディが聞こえてきたその曲はずばり"Pachinko"; あーあー;
 本当は見つかるまで黙っておきたかったのだけど、ブツが見つからないので先に情報だけ報告。'96年末にリリースされたらしいShane McGowanのシングルはLIZZYのBrian Robertsonがプロデュース及びギターを弾いているそうです。聴きたいよー; (純生)


TEN MAN MOP OR MR.RESERVOIR BUTLER RIDES AGAIN / STEELEYE SPAN
 B!のトラッド特集でも紹介されていたエレクトリック・トラッドSTEELEYの'71年リリースの3rd。私が聴くのは1stに続き2枚目。1stとはメンバーが変わっているせいか、微妙に音楽性も違うような気がする。1stに比べて、ずっとケルトのメロディが大胆に入っているので、この点では楽しめます。女性Voも1stでは2人だったのに、ここではMaddy Proir1人だけになっている。彼女の歌はきれいながらも力強い。マニアックなトラッドという感じで、単純に楽しめてしまう曲がないのが不満ではあります。(純生)