THE MUMMERS' DANCE / LOREENA McKENNITT
 『THE BOOK OF SECRETS』からのシングルCD。なんとHMVで500円で売られていた。紙のカヴァーとプラスチック製のCDケースが分離するタイプ…こんなの初めて、コストダウンできるよね。これがシングル・ヒットの秘密なのか? 収録曲は3曲でまずはタイトル曲のアルバム・ヴァージョンとシングル・エディット。エディットの方は単に短いだけかと思ったら、アレンジが若干違っているので得した気分です。もう1曲はアルバムのオープニングだった"The Mystic's Dream"。そうそう、このシングルはもう1種類あって、そちらは4曲入り。しかもライヴが2曲入っているのです。ガーデン・シェッドで1,600円で売られていたので、見送りましたけど(汗)。ひどいよ! (純生)


LIVE / CORRS
 '97年にリリースされたライヴ3曲を含む7曲入りのミニ・アルバム。ライヴが3曲だけなのは物足りないが、オーディエンスが歌ってしまう"Runaway"は感動的ですらある。しかもVoがアルバムのテイクのように大人しくなく、生々しいのが非常によくて、オーディエンスを煽るようなかわいい掛け声には、昨年夏の思い出とクロスオーヴァーさせてしまう。"Toss The Feathers"はスタンダードなインストのダンス・チューンで、THIN LIZZYの"Black Rose"のギター・ソロの一部分にも使われている。もう何度も書いたかもしれないけど、念のため。このアルバムでインストなんて不要と思った。少なくとも企画盤であるのだから、歌入りの他の曲を聴きたかった。でもでもライヴならではのことがありました。途中で掛け声とかが入るのです。それが、またかわいくて…あーちあわせ。"Rainy Day"はアルバム未収録曲。ケルト風味もそこそこの、かわいらしい曲かな。(純生)


SOLID GROUND / DOLORES KEANE
 '96年の来日公演前にリリースされていた3枚目のソロ・アルバム。最高峰のアイリッシュ・トラッドのシンガーという肩書きから、凄く美しい声の女性Voだと期待してしまったが、美しい歌声だから最高峰なのではなく、力強い歌声だからなのでした(汗)。とてもがっかりした。しかもこのアルバムはケルト色が強くはなく、コンテンポラリー集なのだ。わりと普通の曲を歌っている。歌声がきれいじゃない。ぱっと見は、太ったおばさん。いいとこないじゃん。…と思ったのは1年前で、ライヴでの熱唱を通じて、今は適度に気に入っている。私が充分に満足できた、あのライヴでさえも、トラッド・ファンにとっては「声が出ていない!」という不出来なものだったようだ。彼女の本来の魅力を、私は未だ知らないでいるのだろう。ケルト色は明らかではないが、ダンス・チェーンだけがケルトじゃないと知っている今は、優しく力強いアイリッシュ音楽ということで満足している。気が付けばアイリッシュな楽器も大活躍しているではないか。タイトル曲はラテン系の明るい元気な曲で、体を動かさずにはいられない。(純生)


SPINDELSINN / KARI RUESLATTEN

 元3RD AND THE MORTALの歌姫Kariのメジャー・デビュー・アルバム。以前は凄く美しいルックスだったのに、今回のジャケットではまるで魔女のおばさんのような風貌に変わっていて、買う時も「本当にあのKariなのか?」と疑ってしまったぐらい。急に老け込むわけないし、なにか意図があってメイクしたのだと思うけど。
 普通のトラッドを爽やかに歌っているのとは違う。一風変わった楽曲、そして妖しい雰囲気が漂っている。暗さと陰りがある。KariのVoは飛び跳ねているかのように軽やかでもあり、ふわーっとした優しさも感じる。まるで耳元で囁かれているかのように繊細です。以前リリースされていたデモ・アルバムもあれはあれで結構満足していたのだが、音質の向上は当然としても、様々な楽器を使い、練りに練られた演奏と楽曲は非常に充実している。
 トラッド・ファンにこそ、ぜひとも聴いてもらいたいアルバムです。そうです。メタラーだけに聴かれているようではダメなんです。これからはもっと幅広いのファン層にアピールしていかなければ。彼女の才能をアンダー・グラウンドに閉じこめておくのはもったいない。もう私だけでのKariではいてくれる必要はない。(純生)


IRISH TIMES / PATRICK STREET
 アコーディオンを満喫できるバンドというこで薦められたバンドがこのPATRICK STREETで、BOTHY BAND, DE DANNANなどを支えた4人が結成したとかの凄いバンドみたいです。で'90年リリースのアルバム。1曲目から、いきなりアコーディオン全開なので「やったー!」と思ってしまいました。しかも、この曲はSharon Shannonも演奏している曲で、非常に速いプレイで、アコーディオンを演奏する人に言わせると、こういう速いプレイはバカテクが要求されるとか。アコーディオンだけでなく、トータル的に見ても様々な楽器が活躍し、ダンス・チューンと歌の曲が交互に入るところなどは、まさに「正しいケルト」です。個性がちと足りない気もしますけど。ケルトとはそういうものですので。
 そして意外な収穫だったのは、歌入りの曲がなかなか良かったことです。ここは男性Voがわりと普通に歌っているだけなんです。こういったものなら普通はつまらないで終わってしまいそうですが、彼らの歌にはしんみりとさせられるメロディがあるんです。(純生)