COLLECTIVE DEMISE / SALEM
 イスラエルのゴシック・メタル・バンドの'02年リリースの4作目です。全作から4年ぶりです。同郷のORPHANED LANDに対しても同じ思いですが、場所が場所だけに、音沙汰がないと、大丈夫かなー?って不安になってしまいます。何はともあれ、新作をリリースしてくれて嬉しいです。で、このバンドは初期はわりとつまらない感じのデス・メタルだったのですが、3rd『A MOMENT OF SILENCE』において、ゴシック・メタルなサウンドになりました。で、本作はいきなり疾走激烈デス・メタル・サウンドで、あれあれ?と思ってしまったのですが、そんな中にも、中近東メロディが入ってくるわ、女性Voが入ってくるわで、とても個性的なサウンドを確立したと思います。まあ、中近東メロディ度は、ORPHANED LANDには全然及ばないのですけど。余計なお世話ですが、デス・メタル的な昔風のジャケは止めた方がいいと思う。   http://www.salemband.com/ (純生)


PERPETUAL DESOLATION / THE SINS OF THY BELOVED
 ノルウェーの男女Vo擁するゴシック・メタル・バンドの'00年リリースの2nd。サウンド的には1stの延長線上。初期THEATRE OF TRAGEDYがやっていた正しい男女Voゴシック・メタルのスタイル。スリップ・ケース付きのジャケでは胸を露出している女性VoのVoスタイルが素晴らしいです。細くか弱く、ふわふわです。悩ましいぐらいです。そして、ゲスト扱いなのですが、ヴァイオリンも全開です。ただ、相変わらずの大作指向で、7分とか曲が微妙に長いです。そして、それが曲もイメージを散漫にしちゃっています。好みで言えば、1stの方がずっと好きです。特にピックアップする曲も見つからないし。METALLICA"The Thing That Should Not Be"のカヴァーは、このバンドのサウンドのままやっているので、非常に面白いです。シンセが変に入るし、女性Voが入るし。ヴァイオリン・ソロも入るし。音楽的に似ていて、同じNAPLAMレーベルで、ゲストでヴァイオリン奏者THE SCARRPeter Johansenが参加していたりで、どうしてもTRISTANIAと比較してしまうのです。TRISTANIAが分かりやすいゴシック・メタルから、クワイアを多用してごちゃごちゃになってしまったのに対して、このバンドはまだ分かりやすいゴシック・メタルを保っているのが嬉しいです。女性Voもオペラチックではないですし。しかし、バンドは肝心の女性Voが脱退してしまい、その後は後任が見つからずに脱退した彼女をゲストに迎えてライヴを行っていたようですが、'03年になって、残念ながら解散してしまいました。非常に残念です。     (純生)


ENGAGEMENT-HILL / SORROW OF TRANQUILITY
 都内を中心に活動しているハードコア・バンドの'02年リリースの4曲入りミニ・アルバム。ハードコアといっても、メロデスな音を出すバンドです。ライヴは見ていますが、こうやってアルバム聴くのは初めてです。Voのデス声は強力だし、ギターからはメロディが溢れまくっています。もろにARCH ENEMY, IN FLAMESっぽい部分もあって、にやりとさせられるけど、かなりクオリティが高いので許せる。ハードコアですが、流麗なギター・ソロもしっかりとあります。って、ハードコアにはギター・ソロがなさそうと私が勝手に思っているだけですけど。またハードコアから出てきたということと、関係があるかは分からないけど、デス・メタルっぽいダークな部分は一切なくて、からっと、すかっと明るいメロデス。ラストはオープニング曲の"A Ray Gleam Of Hope"AIICHIROWによるリミックスなのですが、静かなピアノ+女性Vo+デジタルなリズム…という感じで、オリジナルとは全然違っているのが面白いです。というか、クレジットを見るまでは別曲なのだと思ってました。こういう音楽的に余裕がある部分もとてもいいですね。でも、このミニのリリース後に、ギタリストが脱退しちゃっています。    (純生)


LADIT AD 1999:BIHTTPOTB / SOULGRIND
 フィンランドの今をときめく変態ブラック・メタル・バンドの'95年リリースの2ndです。って、すみません、あまりときめいてはいません; このアルバムは現在のHOLYレーベルではなくて、MMJというドイツのレーベルからリリースされています。サウンドも今とはかなり違って、遅いKey入りブラック・メタルをやられていて、そこに女性Voも入ります。Key入りですが、シンフォニックではないのが今と違います。どよーんとした音空間で、聴いていると不安になるようなメロディを出しているのは今に通じるものがあります。シンセをバックに、木琴みたいのがなったりとか、かなり訳分からない変な曲も; そして数曲に女性Voが入りますが、低い声で歌われていて、派手さに欠けるのが今と違います。人様に薦めるものではありませんが、私は面白いものが聴けたなあと満足です。WALTARI, SINERGYのギタリストRoopeも参加してます。    (純生)


SOUTHERN ISOLATION / SOUTHERN ISOLATION
 PANTERA, VIKING CROWNPhilip Anselmoの奥さんによる、暗いフォーク・アルバムの'01年リリースの4曲入りミニ・アルバム。VIKING CROWNはさておき、PANTERAにはあまり興味はないのですが、まあミニということで、手軽な値段だということ、それと暗いフォークということで、買ってみました。クレジットが手書きなので、読みづらいのですが、Stephaneというのが奥さんの名前でしょうか。なかなか美形で、巨乳っぽいです(喜)。プロデュース、そしてギターをPhilipが担当してます。やられている音楽は、暗いフォーク…そのまんまですね。暗くしている要素は奥さんの歌い方が暗く静かに歌っていることによるものが大きいかな。暗黒フォークというと、EMPEROR〜ZYKLONのZamothの奥さんによるHAGALAZ' RUNEDANCEを思い浮かべますが、あれに比べると暗黒的な面白さも、ひねりも足りません。           (純生)