VIRGIN MAY / 18 SUMMERS
 ドイツのエレクトリック・ゴシック・バンドの'02年リリースの2nd。清涼感溢れる水色を基調にしたジャケットは、化粧濃いけど、艶っぽいおねいさんが誘ってくれる。ブックレットなどでは、パイオツとかも出てて、更にCDトレイの透明の裏側は凄いことになっていて。思わずトレイを外して確認してしまったけど、たいしたことなかった; でもこんなに期待させておいて、このバンドは男性2人によるもので、女性メンバーはいません; 数曲で女声コーラスが入るだけかな。で、サウンドはエレクトリック・ゴシックって書いたけども、私が知っているその手とはかなり違っていて、デジタルな音も入るのだけども、それは派手なものではなくて、アコースティック・ギターで繊細な音を奏でて、更に弦楽器でクラシカルに彩るといったもの。男性Voは細く弱く。これまたとても繊細です。そして暗く歌われている。印象的な歌メロもあり。ゴシックでもなんでもなくて、'80年代とかに聴いてきた良質のロックでありポップスに近いものなのかもしれないけどね。"She's Running"なんて、むちゃくちゃ哀愁のメロディ。カヴァー?と思って確認してしまったけど、彼らのオリジナル。女声コーラスの歌メロもいいです。全然ゴシックじゃないけど、名曲指定です。そんなわけで、ジャケに騙されたけども、意外にもなかなか気に入ってしまいました。http://www.18summers.com/ (純生)


ANOMALY / SUP
 ベルギー/フランスのゴシック・メタル・バンドの'00年リリースの2枚組、初期音源集+ベスト? HOLYからです。リリースされた当時に買っていたのですが、当時はよく分からないまま流して聴いてました; 同じ曲の別ヴァージョンやデモ音源が入っていたりで、初期音源集なのでしょう。2枚でたっぷり30曲です。とある曲なんて、5ヴァージョンも収録されてます。マニアは驚喜かもしれないけども、無駄に多いという感じがする; デジタルっぽい音像で、だらだらとしたサウンド。近年のアグレッシヴな部分はありません。まあ、私は嫌いではないですけども、好きでもないかな。個性があるのは認めるけども、美しさはないし。それに日本人受けは他のゴシック・メタル・バンド以上に絶対にしないと断言できる(苦笑)。それでも聴いてみたい人は他のアルバムから聴くべき。こんなのは一番最後でよし。(純生)


GUIDED BY LIGHT / LAST RITES
 ゴシック・ロック・バンドFIELDS OF THE NEPHILIMの元メンバーの2人が結成したバンドの'01年リリースの1st。聴いていた時はそんな血統書付きのバンドだなんて思いませんでした。まあ、暗くてだらだらした音像で、かちっとなんてする気もなくて、男性Voも気怠そうに歌うあたりはゴシック・メタルではなくて、FIELDS OF THE NEPHILIMの流れを汲むサウンドなのかも。低音が効いていて、独特な音像です。曲によっては、うなりがあるし、のれる感覚もある。ただ、どの曲も同じ感じなので、どうしても聴き流してしまうかな。そんな中、耳がぴくっと動くのがインストの"Galleon"。やっぱり音像は同じなのですが、印象的なうねり、そして暗いオーケストレーションによる装飾がとても印象的。こんなものを名曲扱いにされても、バンドにとっては余計なお世話かもしれないけども。それでも名曲扱いです。http://www.lastrites.org/
http://www.dreamcatcher-records.co.uk (純生)