FERMINA / FALL OF THE LEAFE
 フィンランドのゴシック・メタル・バンドの'01年リリースのアルバム。先に聴いている'00年リリースの『AUGUST WERNICKE』からVoが変わったですかね? デス声といい声色の普通声で歌われていたのに、本作は一度聴いたら忘れられないほど印象的な、情けないふにゃふにゃ普通声ですよ; へんにこぶし付けて、揺れているんですよ; うわー、個性的だけど、こりゃだめだ。なんだこりゃって感じ。楽曲はメロデス的な疾走はなくなり、より叙情的に、そして繊細なメロディ増幅。特にシンセの使い方が素晴らしいです。そんなところはゴシック・メタルとしてはとてもいいことなのに、あくまでも個性的なVoのみが突出してしまう…。これでいいのか? これでいいのだ。ゴシック・メタルの神様が与えて下さった試練。変態なゴシック・メタルが好きならば、どんなバンドをも愛しなさい。そうだ、Voが変態と考えれば納得いくのだ。…なんて、人生そう簡単に割り切れないところもある。デス声っぽく歌う部分や、メロデスっぽいギター・ワークが輝く部分などもあるけど。しかし、やはりVoに変態なところに楽曲が食われてしまい、印象的な曲はないという結果に。(純生)


9092 / SUPURATION
 HOLY所属のフランスのゴシック・メタル・バンドの'04年リリースのアルバム。初回限定盤はDVD付きです。6th『INCUBATION』が'03年リリースですから、ずいぶん早いペースと思ったら、初期音源集の再発でした; '90年〜'92年に音源をまとめて、'92年に自主制作で限定500枚でリリースされていたもののようです。って、そちらのオリジナル盤も中古で最近ゲット出来てしまい、むちゃくちゃ物欲が満たされてます。いえ、このバンドは海外では人気あるようですが、日本では全然だめだめ。なので、こうやって書いて自慢しないと満たされないです。って、自慢にならないと思いますけど; で、今でこそデジタルっぽいゴシック・メタルをやっているのですが、初期はデス・メタルですよ! これにはびっくりしました。ディープなデス声にブラスト・ビート。でもそんな中にもデジタル加工っぽいVoが入ったり、いきなり変な展開、ごりごりなところにいきなりシンセ音やピアノ音が飛び出してくるあたりは、その後の方向性を予告しているようでもあります。
 DVDのほうは…Video Clipにスタジオ光景…あまり面白くありません。1回見れば充分。それとライヴが4曲。こちらはメンバーがちゃんと動く!という意味では意義あるものかも。(純生)


STILL AT ARMS LENGTH / THE PROVENANCE
 スウェーデンの男女Vo擁するゴシック・メタル・バンドの'02年リリースの2nd。先に3rd『HOW WOULD YOU LIKE TO BE SPAT AT』を聴いて、そのアバンギャルドな楽曲に打ちのめされましたが(って例えが昭和風)、本作も噂通りいいですねー。3rdに比べると、アバンギャル度(@EURO ROCK PRESS)が低いですが、その分分かりやすいゴシック・メタル。3rd聴いても思ったことだけども、IN THE WOODS...に似ていて、より大衆にアピールしそうなサウンド。バックがあまりにもぐにゃぐにゃやっていると、目立たないおねいさんのVoも、よりTHE GATHERINGのアネク度が増していていいです。いや、3rdではアネク度は感じなかったものな。あ、でも3rdのようにピックアップする曲がないのは残念なところ。(純生)