ELEFTHERIA / AM' GANESHA'N
 HOLYレーベルから'05年にリリースされたRAJNA, SPEAKING SILENCE, LES SECRETS DE MORPHEEのメンバーによるDEAD CAN DANCE系ゴシック・プロジェクトの3rd。1st『BEYOND THE SOUL』は名盤だったけど、2nd『SOMNIA』は同じだったせいか、新鮮さもなくつまらないとしてます。で、本作はブックレットを開くと、ドレスを着た美形のおねいさんの写真が目に入り。それでとてもにんまり(笑)。たぶんSPEAKING SILENCEのおねいさんだと思う。で、サウンドもこれまでの2枚とは蛇管変わってきましたね。根本的なエスニックな民族音楽に多重コーラスというDEAD CAN DANCEフォロワーなところは変わりませんけども、どっぷりと暗い要素が加わりました。男性Voによる密教的な"Nharda"は怖い雰囲気たっぷり。森の中を歩いていたら、正面に民族衣装を着て、顔にペイントを施し、手には槍を持った男が仁王立ち。逃げ出そうとすると、既に周囲は取り囲まれてしまって…なんて妄想のシーンにはぴったりです。そんなへんな欲望はないけど; 他にもそんな、むちゃくちゃ妖しく怖い曲が、おねいさんがいい声を聴かせてくれる曲の合間に入ってきます; こういういいアルバムを作ってしまうと、次ぎのRAJINAのアルバムがつまらなく感じそう…; http://amganeshan.free.fr/(純生)


A DECENT ALBUM / SWAN CHRISTY

 ギリシャのゴシック・メタル・バンドの'05年リリースの5th。今はゴシック・メタル的なことはまるでやっていません; 初期は同郷のSEPTIC FLESHのメンバーが参加したり、そのSEPTICのNatalie嬢も参加したり、同郷ROTTHING CHRISTのメンバーが参加したりした、プログレなゴシック・メタルをやられていたわけなのですが、3rd『BLANCY IS THE WHITE COLOR』からゴシック・メタルらしさがなくなり、4th『JULIAN』では完全によく分からないプログレになってしまい、そして私は決別したはず。なのに、思い出って美化しちゃっているみたいで、決別したことを忘れていて、新作だ!と思って買ってしまいました; で、これがびっくり、初期の音楽性に戻ったよー!なんてことはなくて、前作の延長線上で、というか私にはよく分からないエレクトリックなプログレな音楽をやっています。ジャケからして、爽やかなのかアバンギャルドなのか分からないのだけども。変なシンセ、変なリズム、爽やかな普通声Vo。何でこんな変な音楽をやっているのかな?って興味すら沸いてきちゃいます。ある意味、変態ゴシック・メタルか? 自信を持ってこういう変な音楽を世に送り出しているところが素晴らしい! リリースしているBLACK LOTUSもだ。あるいはゴシック・メタルしか聴いていない音楽視野の狭い私が知らない音楽ジャンルなだけであって、メイン・ストリームではこんな音楽が溢れているのかも。まあ、今度こそ本当にさようなら。次作は中古で見つけたら会いましょう。http://www.swanchristy.com(純生)


DEVILS / THE 69EYES
 フィンランドのロマンティック・ゴシック・メタル・バンドの'04年リリースのアルバム。オープニングのタイトル・トラックなど数曲では相変わらずルルーツであるロケンロールな香を漂わしているものの、他の曲はますます遅く、しっとりとして、ゴシック・メタルになってきましたね。"Feel Berlin"は力が入らずにしっとりと聴かせてくれる。女声コーラスもいい感じ。でも、このぐらいの曲だったら、前作『PARIS KILLS』にも収録されてましたし。私が驚いたのは"Sister Of Charity"…グレゴリン・ヴォーカル入りの繊細な音ながらも、ずしっと重さを感じることの曲。女声コーラスがむちゃくちゃ気品さを漂わせている。こんな曲がこのバンドから出てくるのか! ずばり名曲指定です。"Jimmy"はストリングスがバックに流れていて、とても優しい曲。そんなわけで、これまでで一番気に入ったアルバム。そして初来日公演をさくっとスルーした私を後悔させてくれるアルバム。(純生)