THE DEATHSHIP HAS A NEW CAPTAIN / THE VISION BLEAK
 ドイツのゴシック・メタル・バンドの'04年リリースの1stフルレンス。先行シングルに収録されていた2曲もこちらに収録されてます。
PROPECYレーベルからです。オープニングの3分のイントロ"A Shadow Arose"からして、かっこいいですよ。ピアノにフルート、男性の語りの後には、オペラチックなソプラノ女性Voが歌い上げてしまいますよ!おっと、オペラチックな男性Voもですね。 曲もぐぐっと盛り上がってしまい、こりゃ気分が高揚しないわけないです。アルバムでは女性Voも大フーチュアなのか!と思わせてくれるわけですが、そうではなかったです; 数曲で入る程度です。かちっとしたデジタルっぽさと、ヘヴィでかちっとしたギター・リフ、そしてシンセから、そんなに個性的なサウンドが作り出されるとは思えないのに、この個性的なサウンドがとてもいいです。しかもしっかりゴシック・メタルの枠に収まっていますし。先行シングルの"Elizabeth Dane""The Lone Night Rider"はますます名曲となり、更に同じレベル以上の名曲が数曲あり。タイトル・トラックはイントロ曲で聞こえてきたオペラチックな男性Voがしっかりと力強く歌い上げてしまいます。力強く疾走もしちゃいますよ。で、2枚組なのですが、2枚目は5曲入りで、1枚目の曲をSHADOW PHILHARMONICS STRING ENSEMBLEが演奏している静かに美しく仕上がっているヴァージョンです。まあまあかな。1枚目に比べるとテンションはあがりませんけど。というわけで、今年のベスト・アルバムの1枚です。(純生)


ISHATI / RAJNA
 フランス/チベットの民族音楽系ゴシック・バンドの'99年リリースの1st。
HOLY契約前に、フランスのPRIKOSNOVENIEレーベルからリリースされてます。私が入手したのはアメリカのPROJEKTレーベルが'01年にリリースしたものです。当然、入手出来てむちゃくちゃ嬉しいです。しかし、中身の方は今も昔も全然変わりませんよ; 妖しいエスニック系民族音楽を、美しい声色のおねいさんが歌ってくれてます。DEAD CAN DANCEのフォロワーですね。ま、近年作と比較するならば、より民族音楽の音というか、そのまんまというか。太鼓の音が生音っぽく響いてくるのが、ヘッドフォンで聴いていると分かります。ま、物欲的には、PRIKOSNOVENIEレーベルのオリジナル1stが欲しいのです(笑)。 (純生)


FARMAKON / SKEPTICISM
 フィンランド出身のフィンランドのフューネラル・ドゥーム・ゴシック・メタルの'03年リリースの3rd。ミニとかも含めて聴くのはこれで4枚目。やはり、ひたすら暗く重く。このバンドはオルガンのようなシンセが入るのが特徴であり、他の同系のバンドとは違いが明確です。ただのフューネラル・ドゥームではなくて、ゴシックをも無理矢理絡めたいのは、暗さの中に光る美しさがあるから。Voは地を這うようなデス声。ドラムの太鼓の音が、ドコドコしているのも印象的。6曲で62分。一番長い曲は14分です。それぞれの曲はだらだらと同じ感じで構成されているわけですが、それぞれの曲にしっかりと個性があるのも素晴らしいところ。不気味さの中にある、ぞくぞくとする美しいメロディがたまらない。どっぷりとはまりますよ。このバンド、ますます好きになりました。(純生)