SIMPHONIA SINE NOMINE / ATARAXIA
 イタリアの女性Vo擁する暗黒フォーク/ゴシック・バンドの'94年リリースの1st。1stということで、身を引き締めて聴いてしまいますよ。といっても、やられていることは10年後も変わらないわけですが。サウンド的には多少シンセの類が控えめで、よりシンプルに中世な感じです。その分、おねいさんの強烈な歌唱が全面に出ていますよ。ドスの効いた低い声色と、ソプラノ・ヴォイスとの歌い分けを充分に堪能できます。とくに低い声色で力強く歌われるのがゴシック・フィールドにおいては、個性を放っているかと思います。私が今のよるにゴシック・メタルまみれになる前に出会っていたら、もっと衝撃的だっただろうなあ。ベスト・アルバムで聴いて気に入っていた
"Preludio"がオープニングです。1分に満たない曲ですが、チャーチ・オルガン(風?)をバックにおねいさんがソプラノ声で歌い上げてくれます。でも続く"Entrata Solenne"ではしっかりと低い声色で。"Elevazione"もベストでしっかりと聞き覚えある曲…どのアルバムも同じ!と言いつつも、いい曲はしっかりと覚えているし、曲の個性も把握しているもんです。おねいさんの優しいソプラノ声の歌メロが印象的な曲です。(純生)


DARCHANGEL / IN HEAVEN
 ギリシャの男女Vo擁するゴシック・メタル・バンドの'05年リリースの1st。おねいさんの歌が優しいソプラノ声で淡々としているのが特徴です。淡々としている中にも微妙に、感情の変化がある感じで、そこがとてもいいです! って、誰かに似ているなあ?とずっと聴きながら思い出していたのですが、BATTLELOREのおねいさんの歌唱に似てます。あちらほど、すっきりとクリアな歌唱ではありませんが。男性Voは迫力のないデス声でちょっとだけの登場。あくまでもメインのヴォーカルはおねいさんです。サウンドはあまり重くなく、遅い曲もちょっと疾走系も軽快な感じ。シンセ入りで爽やか。ピアノの音もなかなか印象的。でも曲自体はあまり個性的でもなくて、どちらかというとシンプルで魅力薄いです。でも、おねいさんの淡々とした歌メロがあるから名曲に化ける。
"Thoghts", "Betrayed", "Lie To Me", "In Heaven"あたりが特に気に入った曲。華やかさには欠けるけども、いいバンド、いいアルバムです。ジャケットをもっと華やかにして、見た目的にはいまいちなおねいさんの写真写りをどうにかするとか、音楽以外の努力の余地もあり。http://www.inheavenmusic.com (純生)


TO LIVE ALONE / SUP
 フランスのゴシック・メタル・バンドの'00年リリースのライヴ・アルバム。オーディエンスの声が全然聞こえてきません; 普通のスタジオ・アルバムかな?と思ったのですが、知っている曲が収録されてますよ。やっぱりライヴ・アルバムのようです。デジタル・ゴシックという売り文句のバンドですが、ドイツのエレクトリック・ゴシックのようなことをやっているわけではなくて、あくまでもゴシック・メタルにデジタルっぽいこと(デジタル風味と表現するよりも薄い)を装飾しているだけです。美しいメロディとかはなくて、ドゥーミィーなかっこよさで勝負かなあ? Voはデス声と普通声を歌い分け。
"Room Eleven"とか"The Cube"とか初期の曲はかなり好きになってきました。ライヴ本編は11曲で、その後の3曲は新録。"Angel"MASSIVE ATTACKのカヴァーって、オリジナルのアーティストは全然知りません。"Fou"はフレンチ・ロックの重鎮らしいANGEのカヴァーを、そのANGEのメンバーのChristian DecampsをVoに迎えてやってます。だらだらと味わい深い歌を聞かせてくれますよ。更にその後の2曲は'94年リリースのミニ『STILL IN THE SPHERE』からの曲で、TEARS FOR TEARSのカヴァー"Shout"をやってますよ。この曲、前半はオリジナルの爽やかさがまるでないドゥーミィーなアレンジで素晴らしいのですが、後半からは爽やかになるのが非常に惜しいです。なお本作はVHSとDVDもリリースされていて、それぞれ収録曲がちょっと違います。DVDのほうは既に売れきれ。VHSはSEASON OF MISTで300円(!)ぐらいで叩き売りされていますが、PALなので買うのはやめておきます。動いているところはそんなに面白そうではないですしね。(純生)