NO CAUSE FOR CELEBRATION / ROSICRUCIAN
 以前、向井さんがレポートしてくれたスウェーデンのスラッシュ・メタル。'95年リリースのアルバム。バロック音楽との融合との帯に騙された!とかいう、きょんさんのぼやきもありましたな。で、ブックレットのは長髪ながら正装しているという普通じゃないメンバー写真が、バロックらしくて合格。バロックが何かわかっていないけど、クラシック内のジャンルであると勝手に解釈する。アルバム序盤は普通のスラッシュが続くのです。普通といっても、かなりゴリ押しで力強くて良質なスラッシュ。しかし、"Stench Of Life"はヴァイオリンとギターのソロが綺麗にはもる。"A Moment Of War"は中盤にオペラ歌手が歌い上げる部分があるのがいい。部分的にはTHERION風にも感じられるが、曲をブレークさせて一部分をオペラにしているだけです。それを考えると曲全体がオペラとの融合なTHERIONはやはり凄いのだ。全曲バロック風でないのが、ちょっと残念でした。急成長すれば、THERIONの域に達することが出来るかも? 面白い存在ではある。(純生)


MYSTIC PLACES OF DAWN / SEPTIC FLESH
 先に2ndを紹介してしまったが、ギリシャのゴシックSEPTIC FLESHの'94年リリースの1st。HOLYレーベル所属です。超美麗なギターにしびれる2ndに比べると、この1stはギターのメロディは美しいけど、はじけるとことまで達していない。まだ遠慮気味という感じ。そして、とことんコアです。イントロでブラスト・ビートと共にデス声の雄叫びをあげるなど、デスの基本に忠実な部分もあったりする。ラストの"Mythos"は9分弱のKey中心の実に美しいプログレッシヴなインスト。唸らずにはいられない。凄い。(純生)


OPHIDIAN WHEEL / SEPTIC FLESH
 こちらは'97年リリースされた3rd。女性Voがメンバーとして加入しているのが大きな変化です。ゴシックとしての更に楽曲の幅が広がったように感じられます。コアな速いパートが途中ブレークして、ソプラノVoで歌う上げられてしまうところは、たまんねーです。オペラっぽい歌い方もするし、民族音楽をかったるく歌う部分もあるし、美人だし。
 ギターのメロディの美しさは相変わらずだけども、美しさの輝きでは2ndに比べるとちょっと後退しているかな。タイトル・トラック、HM然としたメロディがキャッチーでいいけど、SEPTIC FLESHのような妖しさが売り物のバンドには、あまり主流に近寄らないサウンドを保ってほしい気もします。他の曲に関してはコアなサウンドにギターが泣き泣きでいいです。(純生)


FLOODLAND / THE SISTERS OF MERCY
 メタルではないゴシック・ロックなバンドの'87年リリースのアルバム。PARADISE LOSTがSISTERS OF MERCYの"Walk Away"をカヴァーしたのを前後に、私は初めてSISTERS OF MERCYを聴いた。あまりにもP.LOST的なフレーズの連続に小躍りして、たくさんのアルバムを一挙に買ってしまう(6, 7枚はあるかも;)。しかし、買ったアルバムにはきちんとしたスタジオのものが少なくて、ベストや企画物やブートもあって、だんだんに飽きてきて、連載していたレポートも途中で放ってしまった。これは、ちゃんとしたアルバム。久しぶりに聴くSISTER OF MERCYはなかなかいい。このアルバムから女性Voが加入しているとかで、要所要所でコーラスを聞かせてくれる。特筆すべきは"1959"…歌メロはあくまでもP.LOST的なものだが(もちろん、P.LOSTがSISTERS OF MERCYに影響を受けているので、この表現は本来は変ですので、念のため)、女性のコーラスの壮大でいて、美しいこと。まるでTHERIONみたいなのだ。"To Mega Therion"のコーラスを思い出す。なかなか面白い。(純生)


WELCOME MY LAST CHAPTER / VINTERLAND
 スウェーデンのメロブラ。美しいアコギの旋律から、そのまま泣き泣きの怒濤のデスに繋がるというサウンド。DISSECTIONタイプかな。本来のサウンドには遠い、暗いピアノ曲があるのがポイント。疾走感はとてもかっこよくて、泣きのメロディも申し分なく充分に合格点を与えられる。けど、特に個性的でないのが今ひとつかなあ。メンバーは白黒メイク。ブックレットで使われている絵はムンクの絵のように見えるが…。(純生)