BLOOD, MONSTERS, DARKNESS / GLOOMY GRIM
 HOLYレーベルよりニュー・バンドが登場しました。'98年リリース。フィンランド出身の女性Voを含む5人組ブラック・メタル・バンドです。Voは同じくフィンランドのヴァイキング・メタルTHY SERPENTのDsです。女性Voといっても、メインで歌っているのは男性Voで、彼女はちょい役のコーラス担当です。全曲で歌ってないのが不満です。かなり凝ったエレクトリック・ゴシック的なサウンドにブラック声、そこに細いソプラノの女声コーラスがのってくるという超変なものでして。流石はHOLY、普通のブラック・メタルじゃないなあ、と。こういうのは第一印象は「変過ぎる!」とひどく悪いのですけど、聴き込むうちに癖になってくるタイプですな。もっとも、女性Voが存在しない曲は退屈さも感じるけど。OZZY OSBOURNEの"Over The Mountain"のカヴァーは真面目にコピーしています。こういうのもメチャクチャ自己流で壊してくれるといいと思うんだけど。ギター・ソロをメンバーがコピーできないのか、ゲストが弾いている(汗)。(純生)


THE WINDS THAT SANG OF MIDGARD'S FATE / HAGALAZ' RUNEDANCE
 なんとEMPERORのSamothの奥さんAndrea Nebel Haugenのまじめなトラッド・アルバム。ジャケットは彼女の顔と枯れ葉を合わせてデザインしたもの。ブックレットで見られる数点の写真からは、美しくも冷たい雰囲気のある人かなとか勝手に想像したりして。だんながあれなので、しっかりしている人なのでしょうとか勝手に想像したりして。暗黒系発のトラッド・アルバムということでは、必然的に元THE 3RD AND THE MORTALのKari Rueslattenと比較してしまうが、あちらがすっかり暗黒系から脱して明るいトラッドをやっているのに対して、こちらは美しくも暗い雰囲気でぷんぷんとそれらしさが残っている。曲も書き、パーカッションも兼ねる彼女のVoはアルト・ヴォーカルという感じで、残念ながらVo自体に魅惑されることはない。ただ多重にコーラスを重ねたりとか、面白さはある。呪術的な宗教曲のような怖さもある。うん楽曲の出来は素晴らしいです。トラッドには不似合いな力強い太鼓がいい。ノルウェー・フィドルが悲しいメロディを奏でている"Tale Of Fate"などは秀逸の出来である。こういうアルバムは本当はメタル・ファンよりも、トラッド・ファンに聴いてもらいたいですが、レーベルはELFENBLUTというところ。暗黒系のレーベルだったら、聴いてもらえる機会はないのかもね。Samothも参加しているようだ。なおAGHASTという名義でもアルバムもリリースしているそうです。(純生)


DEUS EX MACHINA / LIV KRISTINE
 THEATRE OF TREGEDYのおねいさんの'98年リリースのソロ・アルバム。バンドからの脱退騒ぎもあっとようなので、そのうっぷんと才能がここに集約されているのだろうな。曲は他の人のようだが、歌詞は彼女が書いているみたいです。サウンドはノイジーな部分はない、明るいエレクトリックでテクノなゴシックといったところか。彼女のVoはひたすら透明感のあるソプラノ・ヴォイスで楽曲の明るさに拍車をかけている。THEATRE OF TRAGEDYよりも歌メロに重点を置いた感じで、しびれるのが数曲あります。"3am"はPARADISE LOSTのNick Holmesとのデュエット曲です。NickがP.LOSTの最新作よりも、よりスマートに軽やかに歌っているのがショックでもあります(汗)。THEATRE OF TRAGEDYではVoとしての表現が制約されてしまうと思っているのかもしれないが、私は本体で歌う彼女の曲の方が断然に好きだな。初回限定のデジパックは"3am"のNo Loop Mixのボーナス付きです。もっと限定らしい布製のは外側が豪華なだけで高いので買わないでおきました。(純生)


3AM / LIV KRISTINE

 こちらはアルバムに先駆けての先行シングル。"3am"のアルバム収録とは違うMixが2つ…都合4種類聴いたが、違いを比べる気はない(汗)。他2曲もアルバム収録曲の別Mixなので、マニアじゃなければ必要なかったシングル。(純生)


LACUNA COLI / LACUNA COIL

 イタリア出身の女性Voを擁する6人組ゴシック・メタル・バンドの6曲入りデビュー・ミニ・アルバム。イタリアのGATHERINGという噂。楽曲の深みこそGATHERINGの域に達していないが、落ち着いた曲調の曲を丁寧にきちんと歌い上げる女性VoはGATHERINGを彷彿とさせる。James Hedfield声似の男性Voとのデュエットになっています。女性VoのCristina嬢は性格きつそうな目をしているけど、めちゃくちゃ美形! 暗黒系美女大賞をあげたいぐらいです。ま、1枚の写真では何とも言えないので、書類選考は通過といったところか。バンド共々今後が楽しみな存在。(純生)