DEEPPRESSION / CEMETERY OF SCREAM
 ポーランド出身の7人組ゴシック・メタル・バンド、'98年リリースの2nd。1st同様にゲストで女性Voがたまに入ります。1stよりも、幾分音が軽くなったような気がします。音の隙間も出来たような気がします。でもその分、丁寧に細かい音が作られているのが分かっていいです。Voのデス声と普通声との使い分けもいいです。いや、普通声の方が艶があっていいな。その上、基本に忠実な展開美というわけで、入りそうなところに入ってくる裏返りそうなソプラノVoがいいっす。"Breeze"はスパニッシュ風ゴシックで、イントロでフラメンコ風の揃っていない手拍子が入るのが面白い。ギター・ソロでは泣き泣きのスパニッシュ風のギター・ソロも満喫できる。でも曲のメロディはMAIDENの"Powerslave"そっくりだ。"Reveal The Rainbow"は歌メロが心に響きます。こっそりとヴァイオリンも入っているし。重さのない曲だけど、ゴシック・メタルとして違和感はないです。モダン化していないからかな。全体的に基本はゆっくりとしたテンポの正統派ゴシックだけど、個性も出てきているかな。Key入りです。(純生)


DESTINATION : INSECURE / GIANTS CAUSEWAY
 ドイツ出身の男女Voを擁する6人組ダーク・ウェイヴなゴシック・メタル・バンドの'98年リリースの3rd。レポート未提出ですが1stも聴いています。そこで聴かれるのはもろにニュー・ウェイヴを暗くした感じのサウンドで、SISTERS OF MERCYのメタル版とも言うべきものでした。女性Voはちょっと優しくない感じだった。このアルバムでは女性Voが替わっています(未聴の2ndで替わっているのかは不明)。相変わらずダーク・ウェイヴなメロディはありますが、よりメタル側に寄ってきたサウンドになっています。その真ん中の位置にいるので、個性が出ていていいかなと思います。って、1stよりもずっと気に入っています。更に女性Voは嬉しいことに、ふわふわのソプラノVoになっていて、これってモロに私好みです。男声メインで、女声はサブという感じですが、たまに女声だけになる部分はほんといいっす。ふわふわかつ弱っちいのがいいです。特にそれが極まっているタイトル・トラック"Destination : Insecure"が最高です。このふわふわ女声とこの暗いサウンドで、THEATRE OF TRAGEDYに似ている部分もあります。数曲でこんなサウンドには場違いなフルートが入るのも面白いです。今までにはないだけで、はまっているしね。もろにこのバンドのルーツと思われるSISTERS OF MERCYの雰囲気が色濃く出た曲があるなあと思っていたら、その"Alice"はずばりSISTERS OF MERCYのカヴァーでした(汗)。オリジナルにはなかったと記憶している女性Voが華を添えているのがやっぱりいいです。(純生)


AS THE SHADOWS FALL / GODSEND
 ノルウェー出身のGとBを兼ねる人のプロジェクトGODSENDの'93年リリースの1st。サウンドの基本はドゥーム・メタルで、HOLYレーベルの所属です。VoとSynthはDan Swano。そうDanが押し潰したような声で歌っていると、あまり個性のないドゥームに感じるのですが、彼のソロ・プロジェクトNIGHTINGALEのように、爽やかな歌メロをつけて歌われてしまうところがいい。うん、こういう部分があるからGODSENDとしての個性が見えてくる。こんなに爽やかに感じるドゥームは他にはないって。でもバックの演奏部分にはほとんど工夫がないです。ちなみにバンドは'98年に3作目をリリースしている。(純生)


AUTUMNAL / LEGENDA
 フィンランド出身の2人組のメロブラ、'97年リリースの1st。速い曲はなく、ミディアム・テンポの曲が多い。ノーメイクだが、吠えているし、サウンドからも判断してブラックでいいのだと思う。ゆっくりとした曲でのシンフォニックな音像が前面に出ている曲の方が、美しさも際立っていてよりいいです。でも、ちょっと個性薄いかな。突出した曲もないし。デジブック(デジパックよりも分厚く豪華)の良さに負けている? HOLYレーベル所属で、2ndも'98年にリリース済みです。HOLYなので私は応援する(汗)。(純生)


KING OF THE DISTANT FOREST / MITHOTYN
 4人組ヴァイキング・メタルの2nd。1曲目"King Of the Distant Forest"がかっこいい。繊細なイントロからいきなり突っ走り出すメロデスな曲。疾走しながらも泣き泣きのメロディは常にある。DISSECTIONを明るくした感じか。後半の曲で大仰なコーラスが出てくるとやっとヴァイキング・メタルらしくなる。それっぽいトラッドちっくなメロディもあるし。なのでメロデス・ファンには絶対にお薦め。なので、私はあまり気に入っていない(汗)。いや、こういうのも好きなんだけど、はまるには至らないのです。曲間が妙に長いのが、緊張感を削いでくれてマイナス。プロデュースはKING DIAMONDのAndy Larocqueがバンドと共同でやっている。(純生)