THEATRE OF TRAGEDY / THEATRE OF TRAGEDY
 '99年にMASSACRESレーベルより、CLASSIX SHAPE EDITIONと題して、複数バンドのSHAPE CDがリリースされました。中身は既発曲ばかりというのもあり、そのバンドのファンにとっては困ったもんなんですけど。私が気になるのではSKYCLAD, KING DIAMOND, ATROCITYなどなど。THEATRE OF TRAGEDYもそんな中の1枚で、2nd『VELVET DARKNESS THEY FEAR』のジャケのヌードのおねいちゃんがCDになっているという非常に嬉しいものです。あの、おねいちゃんがCDトレイの中でくるくる回っていることを考えるとどきどきしてきませんか? 全5曲です。名曲"Der Tanz Der Schatten"はSingle Editなのが嬉しい。シングル持ってないし。途中でフェイド・アウトではなくて、途中でぶった切ってくっつけています。なのでオリジナルを知っているとちょっと不自然、急ぎすぎ!と思っちゃいますけど。あとは3rd『AEGIS』のデジパックのみ収録の曲、同じく3rdの日本盤ボーナス・トラック曲も収録。後者は日本盤を買ってない私は嬉しい。それと、記念すべき1stの1曲目"A Hamlet For A Slothful Vassal"は今日の成功を考えると、涙なくしては聴けないでしょう。今聴いても色あせることのないゴシック・メタル史上に残る名曲です。(純生)


VALDOR GALGA / THYRFING
 スウェーデン出身のヴァイキング・メタル、'99年リリースのアルバム。Key多用のシンフォニックなサウンドが、『BATTLE MAGIC』でのBAL-SAGOTHを想起させてくれます。スピード感はあるし、勇ましいし、力みなぎるしで、とってもかっこいいです。Voは叫んでいる感じ。CHILDREN OF BODOMのVoみたいな感じかな。欲を言えば、もうちょっと落ち着いたイントロとか、オーケストレーション入りの曲とかあるといいけど…って、それではBAL-SAGOTHまんまになってしまうか。このバンドはこれでいいのでしょう。今のBAL-SAGOTHにはないメタル魂もあるようなサウンドですので。(純生)


THE HOLY BIBLE VOL.U-V / V.A.
 フランスが誇る個性派暗黒系レーベルHOLYの'99年リリースの2枚組サンプラーです。お値段は1枚分という低価格設定が嬉しいです。1枚目(VOL.U)は既発音源とリマスターと新曲主体で、2枚目(VOL.V)は未発表曲主体という構成になっています。あっ『THE HOLY BIBLE』というコンピは以前にも出ています。1枚目ではこのサンプラーがリリースされた時には、未だアルバムがリリースされていなかったON THORNS I LAYとYEARNINGの新曲が、過去とはサウンドが変化しているので結構衝撃でした。あとはリマスターされている楽曲も多いのですけど、まあ音がちょっとクリアになっている程度なのでしょう。既にレーベルを離れているORPHANED LANDもリマスターされているのが嬉しい。同じくリマスターされたELENDは美しいだけでなく、恐怖を感じられる方がいいと実感しました。
2枚目のほうには、今後HOLYでデビューするらしいSOULGRIND, NATRON, ARGILEも収録しています。SOULGRINDは他のレーベルから3枚リリースしています。ドゥームな雰囲気を持つゴシック・メタルで、男性Voがメインで、女性Voもありという編成です。NATRONはコアなデス・メタルで、HOLYにしては普通過ぎていまいち。まあ、今後の化け方に期待しましょう。ARGILEはSEPTIC FLESHタイプのサウンドに深みがあるゴシック・メタルです。MISANTHROPEの未発表曲はコアになった最新作のどの曲よりも、落ち着いた曲調でベースもピアノも変態度ばりばりでいい。SUPの未発表曲は昔の曲なのかな。現在とはちょっと違います。ディープなデス声に加えて女性Voが入るのがとてもいい。SEPTIC FLESHはHOLY以前にリリースしたミニからの曲です。GODSENDはP.LOSTのカヴァー"Gothic"のThunder Drums Mixというものだが、どこらへんがThunder Drumsなのかよくわかりません; ところどころでドラムがデコデコいっているのがそうなのかも; NIGHTFALLは'94年のライヴ音源が嬉しい。アウトテイク的ないまいちな曲もあるけど、これはこれで充実の内容です。(純生)


PENTERCOST V / ANATHEMA
 '95年リリース。40分と長いとはいえ、5曲入りだからミニ・アルバム扱いなのでしょうか。8分の大作"Kingdom"は静かで微かに美しいイントロに男の語りが入る。これが曲の半分を占める。後半は速いテンポになる。男も歌い出す。デス声というほどでもない。地を這うようなサウンドだが、ギターは暗いリフを刻むだけでなくメロディも奏でている。全ての面に於いて以前より聴きやすくなっている。ANATHEMAも進化したのだ。"Mine Is Yours To Drown In"は美しさは後半のみだが、速さのある曲だ。これも今までのANATHEMAからは考えられない。"We,The Gods"も前半はANTHEMA節全開で、思いっきりダラダラしてくれてる。虚脱感を誘ってくれて気持ちいい。しかも、これまた今までのANATHEMAに加えて曲展開というものがあるのだ。躍動感があり、私を力づけてくれる。アルバムの最後に3分ほどのブランクがあった後に隠しトラックが入っている。ノリのいい曲だけに彼らのオリジナルとは考えにくいが正体は不明。というわけで、とても気に入っているのだが、女性Voが歌う美しい曲がない〜。例え、バンド本来の曲ではないと非難されようとも、いいものはいいのだ!! (純生)


TERMINAL SPIRIT DISEASE / AT THE GATES
 新曲6曲にライヴ3曲を加えた'94年リリースの3rd。まずオープニングの"The Swarm"にしびれまくる。ヴァイオリンが「テ〜ロテ〜ロ」と美しく鳴いている。そのヴァイオリンの音色にシンクロしてギターのメロディが重なっていきコアな演奏が始まる。カッコ良過ぎ! ここの部分だけ、かなり繰り返し聴いてしまった。コアな演奏といっても、1stに比べると格段に聴きやすくなっている。ギター・ソロなんて泣いている。ああ、しかし惜しむべきことは、これだけ効果的に使われているヴァイオリンの出番がこの後はこの曲はおろか、他の曲にもないこと。あっアコギの美しいインスト曲でも"And The World Returned"でもヴァイオリンは鳴いているが、こちらはあくまでもオマケ。コアなサウンドにヴァイロインが美しく絡んでもらいたいものです。1曲目以降の曲はどの曲もコアで美しく、適度に気に入っているけれど、1曲目のような強烈なインパクトはない。ちなみにライヴの方はMCもデス声です。タイトな演奏を聴かせてくれていて、実力派であることを証明してくれてる。(純生)

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