SHADOW OF THE MOON / BLACKMORE'S NIGHT
話題のアルバム。RAINBOWにはあまり興味はないが、トラッドの見地から聴いてみました…何か偉そうな言い方;
ハード・ロック・ファンの評価が高いので、ここまでしっかりとトラッドをやっているとは思っていなかった。Candice
NightのVoはちょっと弱くて、表現力はあまり感じられない。が、淡々としているわけで、まあ悪くない。と、メディアでの彼女の評価が高いのでバランスをとっておくことにする。でも美人だなあ。イラストのジャケットもいいけど、裏ジャケで2人が寄り添う姿は絵になっているなあ。
"The Clock Ticks On"は素朴でいて明るく、まるでGRYPHONのようで好き。"Play
Minstrel Play"でのIan Anderasonのスリリングなフルートのプレイ、そしてバックの手拍子も本格的でいいなあ。"Magical
World"はほのぼのトラッドで、暖かみのあるCandiceのVoがいい。Ritchieらしいエレキ・ギターが鳴ってしまう曲はトラッドからかけ離れちゃっているようで、普通のHRのバラードのようで好きじゃないなあ。あくまでもRitchieが見えてこない曲ほどいい。(純生)
ONE GOOD REASON / GARY MOORE
『DARK DAYS IN PARADISE』からの先行シングル。4曲中3曲がアルバム未収録曲という優れ物です。アルバムにも収録されているはずの"One
Good Reason"…軽いリズムの曲。ギターはヘヴィだし、ギター・ソロも入っているけど、かなりくどいストリングスで、Voは機械処理してある感じ。"Buring
In Our Hearts"が一番凄くジャングルなリズムなのかも。一番ショッキングな曲かも。低音でいて、繰り返し同じリズムを鳴らしている。ギターはちゃらちゃらと軽いしなあ。"There
Must Be A Way"は一転して、長閑でいて、レゲエ調のリズムかな? 面白いなー…ふと我にかえると、ハード・ロック・ギタリストのはずが何故こんなことやっているのだろうか?と考え初めてしまう;
"Beasts Of Burden"はインストでギターが泣きまくっている曲。リズムは軽いけど、一番違和感ない。
全体的に、新鮮味があって私は面白いと思う。ライヴなんかはどうなるのかな?とか夢は広がるし。でも、この変化で固定ファンの一部は離れるでしょう。離れた以上に、新しいファンをつかむことが出来るのだろうか?
ジャングルというジャンルで聴いた場合、出来はどうなのだろうか? ジャングルのファンが興味を示さないので、新しいファンが付かないので、今後の活動が厳しいのでは? (純生)
LA ESQUINA DEL VIETO / ANDALUCIA
/ MEDINA AZAHARA
スパニッシュ・メタルMEDINA AZAHARAの'80年と'82年リリースのアルバムのカップリングCD。彼らのアルバムを聴くのは2枚目で、1枚目を聴いた時は印象が薄かったのでしょう。レポートを書けていません。しかし今回は非常に気に入っている。しつこまいまでのシンフォニックなKeyがまず印象的。こういうプログレっぽい(と言っていいのか?)スタイルのKeyは好きじゃないはずだったんだけど、このアルバム聴いて凄くいいって思い直してしまった。沖縄絡みで聴いた中島優貴のKeyにも似ている。機械的な音だけど、凄く清々しい雰囲気が漂ってくる。そしてどの曲でも炸裂している、泣き泣きのギター・ソロもいい。加えて、スペイン語の発音がとっても変で、逆にそれがとても新鮮なのがいい。アルバム2枚分入って16曲もあるのに、飽きずに聴くことが出来ました。溶けてしまいそうなぐらいに爽やかだ。(純生)
SENDER OF THOUGHTS / TAD MOROSE
スウェーデンの正統派メタル、'95年リリースのアルバム。骨のあるメタル・サウンドに、ちょっと全面に出ているKeyが絡むというサウンド。このKeyの奏でる音がメロディアスでいい。他の部分はあくまでも正統派で工夫はない。暗い目のメタルかなあ。で、だからこそKeyの意味があるのかも。アルバムの流れも最後の方にきて、だれるかもーと思ったところで、RAINBOWの"Gates
Of Babylon"のカヴァーが流れてきて、ぴくっと耳が立つ。この曲って、こんなにも妖しくてかっこよかったのだなって、再認識しました。それよりもTAD
MOROSEいいです!って気が付きました。(純生)
ENERGETIC DISASSEMBLY / WATCH TOWER
昔I.S.E.にはWATCH TOWERの権威がいて、手軽に入手できる2ndよりも、入手困難な1stを薦めていた。今思えば、それがマニア気質なのかも;
というわけでスラッシュ全盛時代に活動していたアメリカのテクニカル・スラッシュの1stです。'93年に再発CD化されてます。ギターは後にDON
DOKKENに加入するBilly Whiteです。サウンドは確かにテクニカル風。MEKONG DELTAをもっと繊細に鋭くしたサウンド。ベース・ラインなんかも耳で追えてしまうのが面白い。普通のスラッシュではなく個性はあっていいけど、同系のMEGADETHの1stのように名曲が見つかれば、もっと良かったと思う。(純生)