VALENTINE / VALENTINE
 『ROBBY VALENTINE』を聴いて思ったのは「ここまで人工的な方法でも魅力的なアルバムって作れるんだなあ」ということだった。極端に言えば「演奏もコーラスも全部サンプリングでいいからコンサートが見たい!」と言わせるだけの有無を言わせない開直りがあのアルバムにはあった。だから『THE MAGIC INFINITY』で正常な音楽性へ向い始めたことは少々不満だったし、「今後はバンド形態でやっていきたい」などという人道的な発言にも疑問を覚えた。大体「全部自分の思い通りにやらないと気がすまない」という、よく考えると恐ろしい理由によってZINATRAを辞めた人が、そんな風にやってもうまくいく訳ないのに。
 がしかし、そんな心配は無用だった。6分19秒の"God"に始まり、全編笑いと涙が止まらない仰々しい展開のオン・パレードで、我々がとやかく言うまでもなく、この男は自分の商品価値を完全に把握していたのであった。更に曲ごとのクレジットが一層の爆笑を誘う。Gのロブ・ウインターの参加は半分以下の7曲! 何と読むのかわからないけど(けど誰も気に止めない)ドラムの彼の参加は3曲! ベースの彼(同)に至ってはわずか1曲! この点ロビーは「ライヴではバンド形態なんだ」と意味不明な言い訳をしているが、もう誰も君の言うことは信じないからな。
 ということで、前作が不満だった人も安心してお買い求め下さい。ただし、よく言われる「大仰な展開」というのを本人が意識し過ぎたのか、ところどころ考え過ぎの部分もあって、曲ごとの「ひきしまり」という点で『ROBBY VALENTINE』に劣る。 (緒方賢史)


BALLBREAKER / AC/DC
 '95年リリース。リリース前からRick Rubinがプロデュースということで、「DANZIGやSLAYERのような音作りをしてくれんだろうか」とわくわくしていたのだが、まったくもってAC/DCはAC/DCでプロデューサーに影響されることなく、何の変わりもなかった。ただ、ここ2作続いた『HEATSEEKER』,『RAZORS EDGE』のような元気いっぱいの明るい路線から、初期のちょっととろくさくもある軽い目の路線に戻ってしまった。これはこれでAC/DCらしい、安心できる雰囲気なんだけど、イントロが流れてくるだけでわくわくしてしまう"Heatseeker"や"Thunderstruck"のような気分にはなれない。というわけで、結構期待外れであった。過去のアルバムでも聴いたようなリフが…というのは今に始まったことでもないが、"Caught With Your Pants Down"は思わずAngusコールをしたくなるぐらい"Whole Lotta Rosie"に似ている。(純生)


GREEN AND BLUES / BERNIE MARSDEN
 '95年リリース。元WHITESNAKEのギタリスト。Gary Moore同様にFLEETWOOD MACのPeter Greenのトリビュート・アルバムです。いや〜なんとも嬉しいアルバムがリリースされたなあ。ブックレットにはBernieのPeterへの思いが数ページに渡って綴られている。全部カヴァー曲ですが、Garyのと違って全部がPeter関連でもなさそう。半分ぐらいはPeterの曲で、残りは昔のBLUESBREAKERとかのブルースのカヴァーみたい。1曲づつにもBernieのコメント付き。
 BernieとGaryは泣けるギタリストとしては似ているけど、決定的な違いはGaryの方が力がぐっと入る。Bernieは力が入りそうなとこでもキレイにさら〜とプレイしてしまう。でもこのブルースを聴いてしまうと、もう一緒な。ルーツは一緒だったんだなと。4曲のカヴァーがGaryのとだぶってますので、ちょっと聴く比べてみましょうか。…う〜んどちらも本物! いい音出してる。なんとま〜わかりうやすい感想; でもコンスタントに活動が伝わってくるGaryより、何をしてるかわからないBernieの方に懐かしさや嬉しさといった思い入れが加わって、こちらのアルバムに軍配が上るわけ。そしてゲスト参加のMicky Moodyが数曲で見事なスライド・ギターとピアノを聴かせてくれるの。嬉しくないわけがない。BORDERLINEというBernieとMickyも参加したプロジェクトでもカヴァーした"Love That Burns"も収録。このBORDERLINEのアルバムはジャケットを変更して再発されています。アルバム最後に収録されている"Man Of The World"は甘いバラード調の曲で、一番心に残るなあ。(純生)


PARANOID / BLACK SABBATH
 アナログも持っているので、CDへの買い替えです。でも買い替えしてしまうほど好きなアルバムというわけでもありません。単にZODIACのライヴで"War Pigs"を聴いた余韻を楽しみたくて、気軽に聴けるCDが欲しくなったに過ぎません。んあ〜純粋な動機ね。アナログを聴いていた当時は名曲"Paranoid"や"Iron Man"が気に入っていて、A面ばかり聴いていたような気がするけど、改めて聴いてみるとB面の方もなかなか面白い曲があるのだなあと思いました。歴史的名盤をSABBATHをちょっとかじっている程度の私が深く語る勇気はないので、あくまでもさら〜っと流す; (純生)


DIGGING THE GRAVE / FAITH NO MORE
 '95年リリースのシングル。新品が100円で売っていたので。"Diiging The Grave"はサビの部分が覚えやすいかっこいいハード・ロック。むむむ、このバンドって、こんなに普通だっけ? とても聴きやすい。「HMじゃないからイヤ」と言っておきながら、理不尽な意見を言わさしてもらう。HMになってしまってはFAITH NO MOREじゃなくなるのではないだろうか? HMファンが他のHMと同じようにすんなり受け入れられるようではいけないのではないだろうか? 前作の曲は数曲テープで聴いたが、好き嫌いはさておき個性的だった。FAITH NO MOREの長い歴史の中で、こういったHMにより近づいた時期があるのはいいと思う。でも、これからますますHM化してしまうのなら大問題ではないだろうか? HM化、それはFAITH NO MOREの個性が薄まることではないのかな。あっ余計なお世話ですよね;
 とはいえ、しっかりと耳を傾けると、普通のHMにはないリズムや自由奔放な歌メロのVoに所謂HMではない、個性が伺える。他3曲は普通じゃなかった。"Cukoo For Caca"は今回Keyが後退しているとのことだが、この曲は結構Keyが効果的なんですね。(純生)