POWER ROCK? THAT'S MERCURY!! /
V.A.
'95年の8月に行なわれた伊藤政則認定HM王座決定戦のMERCURYのブースで貰ったものです。抽選とかではなくて、もれなく貰えました。70分弱で15曲が収録されています。既発曲だけでなく、これからリリースされる曲がカットなしで聴けるという優れもの。ただし、このことをあるアーティストに知られると、担当者のクビが飛ぶ!というリスクも背負っているようです。ブックレットを広げると手書きの汚い字による、曲リストが書いてある。「マーキュリー秘サンプラー」「マーキュリー海族盤その@」・・・海賊盤の字が間違っているところが微笑ましい;
曲リストの最後には「以上で編集よろしくね。くれぐれもひみつでおねがいしまーす」と書かれてあり、担当者の名前入り日付印が押されているが、担当者名は黒塗りしてある。「さんずい」の文字と「民」らしき字は確認できるけど。
さて主立った収録曲の紹介。まずSYKESの新曲がリリース前に2曲も聴ける!
私はこれが目的でした。ラジオでは既に流れていたけど、きちんとした音源で先に聴けるのは嬉しいものです。バラードの"If
You Ever Need Love"の曲リストにはご丁寧にも「作戦名"Is This Love'95"」と書かれていて大笑いした。確かに似てるからね。でも、あの曲よりもずっと上品です。これまた発売前のWAZBONESはMETALLICAとMEGADETHのカヴァーをやって大ひんしゅくを買った、けばけばしいリックスのTIGERTAILSの改名だそうな。バラードの"I
Believe"はMOTLEYの"Home Sweet Home"とSKID ROWの1stに収録されていた"18
& Life"じゃない方のバラードの雰囲気を兼ね備えた曲で、不覚にも感動してしまうぐらいの名曲と思ってしまった。もう1曲はつまらなかったので、アルバム買う気は起きませんけど。BON
JOVIの"Hey God"はCULTの"Fire Woman"にクリソツ。KING
DIAMONDも忘れられずに収録されているのが嬉しい。でもアルバム1曲目がチョイスされているというのは「仕事」という感じ。FATES
WARNINGは"Circles"というアルバム未収録曲だそうな。(純生)
ROCKERS / THIN LIZZY
'93年にリリースされた初期(1st~3rd)の音源のベスト。アルバム未収録曲という、面白い音源が3曲収録されている。"Sitamoia"は3rdリリース後に、一時期Gary
Mooreが在籍していた時の曲で、アルバム未収録曲。シングルやベストでは既にCD化されている。Brian
Downeyが1人で書いた曲というのが珍しい。ドラムのリズムが"Bad Repitation"のように派手で印象的なので、彼が書いた曲ということにうなづける。"Sarah-Version
2"はレコーディングされたのは、'73年リリースの未CD化のベスト・アルバムの為にGary
Mooreがギターを弾いていているらしい。「Version 2」というからには「Version
1」が存在していて、2ndに収録されている。アレンジが多少異なっている。『BLACK
ROSE』収録の"Sarah"とは同名異曲。「Sarah」はPhil Lynottの娘の名であるが、祖母も「Sarah」という名前だったようで、このアルバムに収録されている"Sarah"は娘ではなく、祖母のことを歌った曲かもしれない。そして、このアルバムの目玉になっているのが"Little
Darling"です。過去、私がもう何度も呪文のように曲名を連呼してしまっているが、また同じことを言わせて下さい(笑)。PRETTY
MAIDSがカヴァーして、曲の存在が有名になった、アルバム未収録曲です。前述の"Sitamoia"と同じくGary在籍時にレコーディングされ、シングルでリリースされた曲。MAIDSはかっこよくハード・ロックにアレンジしてカヴァーしていたが、このオリジナルはホーン・セクションが「パパパパァァ・・・♪」なんて鳴ってしまっていて、丸みのあるサウンドになっている。Garyのバック・ヴォーカルもしっかりと聞こえてくる。(純生)
THE BEST OF PHIL LYNOTT AND THIN LIZZY
〜 SOLDIER OF FORTUNE / THIN LIZZY
'87年に輸入盤のみでリリースされていたベスト・アルバム。音源収録媒体がアナログからCDへと時代が移り変わってもLIZZYのアルバムは長きに渡ってCD化されることはなかった。既に解散しているバンドであり、メイン・ソングライターは故人であったので、契約問題がなかなかクリアされなかったのでしょうか。そんな時代、このアルバムだけは早くからCDとして登場していて、ファンに重宝させたようです。私は恥ずかしながら、入手したのはずっと後のことです。全17曲、LIZZYの曲のみならずPhilのソロの曲、加えてレーベルの塀を越えてGaryとの共演曲"Parisienne
Walkways"と"Out In The Fields"まで収録されているのがポイントです。おまけにアルバム・タイトルにもなっている"Soldier
Of Fortune"は決してLIZZYの代表曲ではない。他のベスト・アルバムには顔を出すことはない曲です。この選曲、タイトルに用いたこと、そして最後の17曲目に収録したことに、このアルバムの選曲者の、その人なりのLIZZYに対する思い入れが感じられる。(純生)
THE JAPANESE COMPILATION ALBUM / THIN
LIZZY
'94年にCD化された日本編集のベスト・アルバムで、Phil自身が選曲を手懸けているらしい。オリジナルは'80年にリリースされている。全10曲がオリジナル音源のままで、貴重なものはない。選曲にしてもベスト中のベストで、"Wild
One"が入っているのがちょっと変わっている程度だろうか。ジャケットには日本滞在中のスナップなんかも移っている。CD化当初から、レア・テイクはないとのことで私はすぐに購入しなかった。そんな時、ふと立ち寄った中古盤屋でアナログの本アルバムを見付けたのです。盤もきれいだし、ジャケットも帯はないものの美麗。プレミア価格で2,800円なり。安い!
数年前に新宿で同じものを見付けた時は6,800円もしていたのだから…。でも、CDなら定価1,700円だから、とその日は購入を見送る。その時から私の頭の中でいろいろと考えが巡る。ど〜せ、レア・テイクがないベスト盤なのだから聴く回数は少ない。聴かないのなら少し高くてもオリジナル盤を持っているべきではなかろうか、という結論に至った。べらぼうに高いわけではないし、定価より300円高いだけなのだ。1週間後私はその中古盤屋に向かっていた。(純生)
THE PEEL SESSIONS / THIN LIZZY
'95年になって国内盤もリリースされた、John Peelという人が企画した(?)BBCにおけるセッション音源を集めたアルバム。'72年から'77年までの間に録音された15曲が収録されている。未発表曲というようなものはないが、アレンジや楽器の音色がオリジナルとは異なっており、それが特徴となっている。セッションとはいっても、コーラスなんかはきちんと重ねてあるようだし、かなりしっかりと録音されている。
以前ブートに正体不明のデモ音源のようなものがある、と紹介した。それが本音源と同一であると判明した!
そして、もちろん目玉商品はGary在籍時の2曲であろうか。"Little
Darling"はオリジナルとは大きく違い、ここではホーン・セクションの代わりにギター・リフが活躍していて、ハード・ロック・ヴァージョンとなっている。"Still
In Love With You"は超驚きのGaryとPhilのデュエットになっている。当時は"Call
On Me Baby"というタイトルで歌詞もオリジナルとは多少違うようだ。(純生)