SECOND SKIN OF HARLEQUIN / ILLNATH
 デンマークのシンフォニック・ブラック・メタル・バンドの'06年リリースの2ndフルレンス。1stフルレンス
『CAST INTO FIELDS OF EVIL PLEASURE』と同じく日本のWORLD CHAOSレーベルから。私はその前のデビュー・ミニ『ANGELIC VOICES CALLING』しか聴いてませんでした; そのミニでは大仰なイントロから始まる曲にしびれましたが、本作はあっけなく始まってしまって、ちょっと寂しい感じ。そしてミニではDIMM BORGIRやCRADLE OF FILTHフォロワーという感じでしたが、本作では方向性が変わっていますよ。シンセとギターのメロディが映えまくりで、いい意味でゆるいシンフォ・ブラックになっています。これはこれで個性です。Voはディープなデス声と叫ぶような声を歌い分けているのがいい。キャッチーなきらきらメロディを奏でているあたりは、ブラック・メタルというか、CHILDREN OF BODOMという感じ。ちょっと型にはまり過ぎていて、正統派過ぎる曲が多いのが、変態志向の私には残念なところ。逆にシンフォ・ブラック・ファンにはお薦め出来ます。オープニングの"And There Was Light"は途中疾走するけども、ゆっくり目の曲調で、ゆるいメロディの曲。私は大好き。でもシンフォ・ブラック・ファンが喜ぶのは次の"Virgin Soil"とかだろうなあ。"Feathers Shall Fall"は暴虐かつメロディアスに仕上がっているところが素敵です。初回限定盤のみボーナス・トラック"Aqua Diabolicum"を収録。1stリリース後にレコーディングした音源とのこと。ジャケットのアートワークはGOLDEN DAWNDIVISION ALPHAを手がけた人。なるほどそんな感じ。でも、デビュー・ミニや1stの萌えジャケの方に比べるとちょっと残念。http://www.illnath.dk/  (純生)

BLACK SEARED HEART / GEHENNA
 ノルウェーのブラック・メタル・バンドの初期音源集のようです。'95年にリマスターされたとかクレジットあります。このバンド、2nd
『MALICE』からはアグレッシヴなブラック・メタルになってしまいましたが、初期はぬるくて遅くて、ゴシック・メタラーの私もお気に入りです。で、本作の曲も遅い曲、遅くなくてもミディアム・テンポぐらいで疾走しない曲が多いです。Voはダミ声でブラック・メタルらしさをアピール。メロディアスなシンセ入りの曲などもあります。この頃はもう女性Key奏者がいたんでしょうか。演奏のチープさも欠点ではなくて、そのまま初期のノルウェーのブラック・メタルっぽい雰囲気がぷんぷんしますよ。ゆるい曲であっても、ブラック・メタルらしい悪さは充分に伝わってきます。妖しいメロディのシンセによるインストなども挿入されてきます。(純生)

It's So Easy / '06.09.05