THE BOYS ARE BACK AGAIN'94 / THIN LIZZY
 '94年の再結成LIZZYの来日公演のブート。2枚組のライヴ完全収録。ブート会社のクレジットはないし、公演地・公演日もないが、内容からして私が見ていないツアーの東京公演のようだ。音が抜群にいい! サウンド・ボード直結のライン録音で、このままスタジオ作業をすれば、オフィシャルとしてもリリース出来るクオリティを誇っている。なんたって、"Thunder And Lightnig"の稲妻のテープのノイズが聞こえるぐらいだもんな。そういや、オフィシャルでリリースされるという話しもあったし、私は会場の中通路後にあるサウンド・ボードの真後ろでも見たのだけど、DATに録音しているような作業をしていたって。悪いことをする人間がいるもんだね。せめられる立場じゃないけど。
 さて、ライヴに行った記念品というだけでなく、全てSykeseeが歌っているLIZZYの曲であるということが改めて興味深いと思った。他はライヴ・レポートと同様になったしまうので、コメントは省きます。(純生)


BACK IN TOWN / THIN LIZZY
 こちらも同様の来日公演ブート。2枚組完全収録。上が邪道のブートなら、こちらはオーディエンス録音の正統派ブートであろうか。SKINとHELLOWEENの来日公演のカップリング2枚組ブートとか恐ろしいものまでリリースしてしまうし、来日公演後に出ないブートはないんじゃないかと思うWYVERNレーベルからのリリース。仙台公演のもので、高音質の広告に偽りなし! 抜群にいいです。もちろん上記のとは比べられないけど。でも、オーディエンス録音の利点はある。ライヴの臨場感が味わえる。上記のなんか盛り上がってないようだもん。客は静かに聞こえるもん。こっちは違うよ。オーディエンスの手拍子や歌声は凄いし、歓声も凄いです。うんうん、このぐらいは盛り上がっていたもんね。"Emerald"では曲が始まって少ししてから、わぁ〜と盛り上がるのです。これって何でか分かります? スクリーンが降りてきて、Philの姿が映る瞬間なのです。なんか、その瞬間の感動が思い出されてね、泣けてきちゃいます。
 過去の写真や、今回のオフ・ステージのスナップ写真(日付入りが泣かせるぜ)をふんだんに表裏のジャケットに使ってあり、丁寧な仕事をしているなあ、とWYVERNに好意的になった。メンバー名はさておき、楽器のテクニシャンのクレジットまではいらないとは思うけど。
 もう1種類、昨年のライヴ・ブートは確認しているが、1枚組で完全収録じゃないようだし、公演日もクレジットされてないし(東京と大阪の最終公演なら、盛り上がりが違うはずだし、欲しいのよ)、とりあえず買うのは見送りました。また安い値段で出会った時に買ってもいいかなと思ってます。(純生)


PERSONAL NOTE / MARK NAUSEEF
 Mark Nauseefはジャンルを超越した希代の名ドラマー、あるいはパーカッショニスト。ロック・シーン、あるいはジャズ・シーンの両方に跨がって活躍し、その鋭いドラミングでファンの熱い支持を得てきたミュージシャンだ。…とライナーに書いてある。恥ずかしながら、この人のことは私はつい最近まで認識していなかった。B.Downeyの代役とはいえツアーに帯同し、『BLACK ROSE』アルバムに参加しているにもかかわらず。加えてGaryのG-FORCEにも参加していたんですってねえ。他にはIan GillanがPURPLEを脱退後に結成したIAN GILLAN BANDにも参加。GILLANはさておき、IAN GILLAN BANDはハード・ロックじゃない楽器の音なので、凄い煮え切らないような感想を初めて聴いた子供の頃感じた。今考えると、そこにジャズも叩けるMarkがいたことは納得できる。Ronnie James DioのELFにも参加している。RAINBOWのツアー・メンバーでもあったそうな。
 '82年にリリースされた彼の1stソロ・アルバムには、こともあろうにPhilが参加している。"Chemistry"というジャズをヘヴィにしたような非常にヘンな曲で、Markと共作し歌っている。他5曲はPhilは無縁のインストになっている。こちらはもっと変。ジャズのようで、即興的で、実験的で…。う〜ん私の許容できない種の音楽。(純生)

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