夜叉 / 夜叉

 以前ライヴを見て、とても気に入っていたバンド。過去にはフル・アルバムをリリースしているようですが、これは久しぶりの4曲入りミニ・アルバムのようです。'01年リリース。やはり強烈なのはVoです。山田まさきちっくです。日本語歌詞で攻撃的な音楽性ということもあり、FLATBACKERを想起せずにはいられません。夜叉の方はスピード感はFLATBACKERに比べたらないけど、その変わり、重量感がある。FLATBACKERのどんよりした曲みたいな感じ。あとは、歌詞がFLATBACKERに比べると、難しい…。そう、FLATBACKERは単純明快だったので、すぐに歌詞も覚えたものね。ライヴも、また見たいなあ。 http://www.d3.dion.ne.jp/~yasha_ds/   (純生)


THE RED HOT BURNING HELL VOL.2 / V.A.
 陰陽座の2曲(アルバム未収!)目当て+ほかのバンドも気になっていたので買ったオムニバス盤。2曲ずつ7バンド(1バンドのみ3曲)の15曲収録。ライヴも見ているFAIRY MIRRORは、やはりヴォーカルも演奏も不安定で少々がっかり。曲は良いのですが。陰陽座は"百々目鬼"と"侵食輪廻"の2曲収録で、"百々目鬼"では黒猫がメロディアスに歌い上げ、"侵食輪廻"では押しまくるリフをバックに瞬火が吠えるという対比が面白い。冷静に考えると、複数のリードヴォーカルを曲によって使い分けるというのはメタルでは少ないですよね。ギャルズ版MOTORHEADと言われているらしいNEAT 001は、かっちりとまとまって小気味よく疾走する3曲。音像が押しつけがましくないのが良い。こういうのもたまにはいいですね。栃木のパワー・メタルTHUNDERSTEELは、ヴォーカルも弱ければ演奏もふらふらで、この中では明らかに1ランク落ちます。これもライヴを見ている様式系のSTEEL EMBLEMは、ギターのわがままな弾きっぷりと安定感が良い。ただし、ヴォーカルは別の人に替えた方がいいと思います。ARGUMENT SOULは可もなく不可もなく。アルバムはつまらなかったKAIZERですが、ここでは良い出来の方の曲を収録しているせいか、それほど印象は悪くありません。以上、今挙がったバンド名にいくつかでも興味のある人は、買って損はないと思います。新品でも1,500円ですから。  (Olias)

異形の宴 / V.A.
 陰陽座の2曲(アルバム未収!)+犬神サーカス団の2曲(アルバム未収!)目当てで買ったオムニバス盤。2曲ずつ5バンドの10曲収録。グルグル映畫館は、学生服+学帽+白塗りの4人組といういでたちからして笑えるが、1曲目からいきなりオックスの「スワンの涙」かヒデとロザンナの「愛の奇跡」かというような超歌謡曲歌メロを自信満々に歌っているからすごい。しかも、バックはそれを真面目に演奏し、ツインヴォーカルが交互に登場するなど構成もさりげなく綿密に練ってあるからさらにすごい(笑)。陰陽座は"火車の轍"と"月姫"収録ですが、前者は"式を駆る者"をコンパクトにまとめた感じの疾走ナンバー。こういうまっとうなメタルもきちんと書けるのが彼らの強みですね。後者はごく普通のバラード。すらっしゃあさんがライブを酷評されていた羅宇屋は、アンビエント系の音をバックに女性ヴォーカルが淡々と歌う2曲で、ここで聴く限りは悪くない。これをロックというのかどうかは疑問だが・・・。地 獄絵は1曲がただのハードコアで興味を失いかけましたが、もう1曲はゴシック・メタルがかった怪しい曲で、ますます分からなくなりました。そして犬神サーカス団ですが、執拗なパーカッションの上をテンションの高い歌メロが舞う"赤痣の娼婦"もインパクト十分ですし、"エナメルを塗られたアポリネール"はさらに際立っています。サビ(?)の「お母さ〜ん」「お父さ〜ん」の部分にぞくっとします。アルバムでは絶叫部分はわめくような感じなのですが、こういう澄んだ声での絶叫もできたのですね。両方とも、アルバムに入っていてもおかしくない曲です。以上、全体の統一感もバンドごとの特色もあって、良心的なコンピレーションといえるでしょう。日本クラウンからのリリースなので、取り寄せでも買えます。 (Olias)

FINE FINE LINE / ANDY FRASER
 アンディ・フレイザーと言えば、"All Right Now"の作者として、またFREEのベーシストとしてHRファンに名前が知られている人だと思う。FREE脱退後の'70年代中盤にもソロ・アルバムを発表しているが、これは'84年発表のソロ作品。少し日焼けした短髪のハンサムガイの写真…というジャケットで、このアルバムの存在が知らない人が見たら「これがアンディ・フレイザー?」と驚嘆(嘆息?)してしまいそうなルックスだ。その爽やかルックスから想像できる通り、これは完璧な産業ポップ・アルバム。多少揶揄的な意味も含めて、思わず「ナイスな産業」…と言いたくなってしまいそうな(?)内容となっている。明るく軽いサウンドは、実に耳に心地良い感触を提供してくれるが、メロディの淡白感は今ひとつ食い足りない。よくある凡庸な産業アルバムというところで、全体的には退屈な内容。ただ、A(3)の"Chinese Eyes"はタイトル通りオリエンタルなメロディがフィーチュアされた曲で、これはなかなかユニークだった。他の人がやっていたら、少しはヒットしていたかもしれない…という感じの曲ではある。やはり、'70年代に栄華を極めた人だけに、そのイメージ・チェンジは難しかったということだろうか。中古盤ではよく見かけるので、興味のある方はどうぞ。  (hatch)


BURN THE SUN / ARK
 とても不思議なサウンドです。買ってしばらくは、なんだかへんてこな音だなぁとしか思っていませんでした。が、何度も聴き返すうちに、ずるずるとこの ARK の世界に吸いこまれてていきました。予想のつかない複雑な展開で曲が組み立てられていて、解りにくくあるけれど、なぜだか気が付くとハマってしまうのは、曲にみなぎっている魅力的なメロディー。でも、曲中のいろんな部分に多用な仕掛けがしてあって、それらに突然出くわした時ドキドキさせられます。ギターは、時に超テクニカルに目の細かいフレーズを弾きこんだり、時にザクザクとメタリックなリフを決めたりと、かなりうまい。そして、やっぱり、ついつい、ぐいぐいっと耳が引き寄せられてしまうのが、シンガー、ヨルン・ランデの歌唱。この人、なんでこんな風に歌えるんでしょう。安定感あって、どんな風にでも歌えるんですねー。熱いパッションがみなぎる"Just A Little"、七変化する摩訶不思議なメロディーに酔ってしまう"Waking Hour"と"Feed The Fire"、ラストの"Missing You"が特に気に入ってます。  (くれ)


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