HAPPY DAYS / CATHERINE WHEEL
ブルース・ディッキンソンのいとこのロブ・ディッキンソンがヴォーカルとギター担当で、マネージメントはIRON
MAIDENと同じ「Sanctuary」…と聞いて期待した人、残念でした。MAIDENみたいなHMじゃなくて、NIRVANA系の神経質な轟音ギターを聴かせるグランジ・バンドです。女性ヴォーカルやストリングス、ハーモニカなどを取り入れて曲調は多彩。繊細な陰鬱バラード"Eat
My Dust You Insensitive Fuck"やかわいらしい女性コーラスのサビが印象的な"Judy
Staring At The Sun"あたりがいい曲で、イギリスには珍しいこの手のバンドの中でもレベルの高い方だと思う。でもMAIDENファンは人脈につられて買わない方が無難でしょう。 (ナンシー関野)

VAIN GLORY OPERA / EDGUY
伊藤政則のPOWER ROCK TODAYで初めて聴いて、ストラトのティモ・トルキとブラガのハンズィーが参加しているということもあり興味を抱いて買った。荘厳なオープニングから、一気にメロディック・スピード・メタル・ナンバーに入っていくあたり、これぞ!!こてこてジャーマン・メタルって感じがする。ゲストの影響がかなりあるので、なんかBLIND
GUARDIANかSTRATOVARIUSを聴いている錯覚に陥る場合もある。しかもコーラスはBLIND
GUARDIANのメロディそのものだし、良く聴くとSTRATOVARIUS節な部分も多いが、ジャーマン好きな私に取っては、他のバンドに似たフレーズがあっても、メロディ・ラインがしっかりしていてスピード・ナンバーが揃いつつバラードも有りで文句無しにカッコ良く感動的であれば、何も言うことはありません。なんかIRON
SAIVERを思い出してしまった。今回はカイの代わりにティモが入っていただけのような…でも自分ではIRON
SAIVERも気に入っているので、まあいっか! バンド自体はこれで2枚目のアルバムらしいので1stも聴いてみたいですね。
(じゃーまんクン)

THE NEW MACHINE OF LIECHTENSTEN /
HOLY MOSES
「<あの素晴らしい曲をもう一度>チョベリバ廃盤シリーズA to Z」第8回目。最近、巷で流行っている女性Voをフィーチュアしたバンド。「どいつもこいつもきれいなソプラノねーちゃんに歌わせればいいと思いやがってぇ」と憤りを感じている(!?)硬派なメタラーこそ聴いてもらいたい。元GAMMA
RAY〜現HELLOWEENのドラマーUli Kuschのファンで「きゃ〜、そのマユゲがステキよ〜」という方にも聴いてもらいたい。ライナー・ノーツではユーリ・クッシュになっているが…。
さて内容は、ある科学者チームが知的産業ロボットの開発を行い、そのレベルの高さから地球全土を支配されてしまうはめになった。そして人類とロボットとの戦いが始まった。というSFストーリーのコンセプト・アルバム。ターミネーターみたい?
ジャケットのイラストもSF的である。SFっぽいイントロで幕を開け、ザクザク、ドコドコとしたスラッシュ/パワー・メタルが炸裂する。声だけからなら男だと言ってもわからないであろうサバンナ・クラッソンの超ダミ声ヴォーカルに、バック・コーラスが男っぽい硬質さを加えていてカッコイイ。アンダーグラウンドの香りがプンプン漂っていて、一聴しただけではよくわからないかもしれないが、2回、3回と聴くと味が出てくる。
ペロリロと妖しげなフレーズも随所で聴くことが出来る疾走感が爽快で変なメロディ・ラインの"SSP"。速い曲が多い中でずっしりと重い"Lost
In The Maze"なんかは思わずタテノリせずにはいられないカッコ良さ。再びイントロのフレーズが現れて、フェイド・アウトしてゆく…。 (マニアっくん)

AN EVEN MORE PERFECT UNION / ICON
2ndアルバム『NIGHT OF THE CRIME』をリリースしたあとCapitolを離れたICONが、'87年にカセットのみでリリースした『A
MORE PERFECT UNION』に未発表音源をプラスした'95年リリースのCD(解散は'90年)。新メンバーのJerry
Harrison(Vo)とKevin Stoller(Key)のお披露目となるはずだった作品で、プロデュースはバンド自身が行っている。基本的には『NIGHT
OF THE CRIME』のようなアダルト路線の産業ロックだが、それよりもかなり明るくポップに仕上がっている。あの"Under
My Gun"のICONがこんなにキャッチーでいいのか?と思ってしまうくらい甘い曲が並んでいて、硬派なファンには物足りないかもしれない。ただし、曲の出来はどのアルバムよりも飛び抜けてよく、それぞれがコンパクトにまとめられているので全17曲飽きることなく楽しめる。Dan
Wexler(G)は、このところの再結成バンドを歓迎していなく、ICONを再結成するつもりがないようで、これが最後の音になるだろうということだ。実際には『RIGHT
BETWEEN THE EYES』がラスト・アルバムで、それを聴いたあとなら解散しようがしまいが気にも止めなかったろうが、最後の最後にこんないい作品を聴かせてくれるなんて酷だ。
(向井孝司)

THE PARTY / THE PARTY
みんな元気かい? ハタカバのオジサンだよ。おいおい、まさか忘れたってんじゃないだろうねぇ。いや〜、ナンシーさんはすごいですね!
ちょうどこのCDを入手してレポートしようとしていたときに、しっかりとVol.89で私にネタフリをしてくれている。この曲が出た当時、少しふれたら「From
Letters」のコーナーで取り上げてもらったことがありますが、ここでちゃんとした形でレポートします。THE
PARTYはアメリカのケーブル・テレビ「ミッキーマウス・クラブ」のオーディションによって集められた男3人、女2人のグループで、カヴァーしているのはDOKKENの"In
My Dreams"。この曲はビデオ・クリップをエア・チェックして持っていたのだけど、CDがなかなか手に入らなかった。"In
My Dreams"が入っていないアメリカ盤1stアルバムはよく見かけていたので、そのうち手に入るだろうと思っていたら意外にも苦労してしまった。これは日本盤のデビュー・アルバムで、アメリカ盤の1stが同タイトル『THE
PARTY』なので、1stと2ndから曲を寄せ集めて編集したものなのかもしれません。カヴァーの具合はというと、C+C調のファンキーなダンス・ミュージックにアイドル系の女性ヴォーカルが乗るといったもの。余計なひねりがしてないから曲のよさが活かされていて、ダンス・ミュージックとしては楽しめます。12インチ・ヴァージョンがあるのなら聴いてみたいとも思います。ただ、このグループは曲によってリード・ヴォーカルを替えていて、みんな平凡な声で、曲がいいわけでもないので、退屈で聴く気になれません。このアルバムには他に、ロネッツの"Walking
In The Rain"(プロデュースとアレンジはMidge Ure)、THE WHOの"My
Generation"のカヴァーが入っています。では、また次回のハタカバでお会いしましょう。忘れないで待ってて下さいね。
(向井孝司)

