NO CAUSE FOR CELEBRATION / ROSICRUCIAN
まだまだまだまだ懲りずに続ける'90年代スラッシュ漁りシリーズ。このアルバムはB!のレヴューの中から「スラッシュ」という形容がされているものをピック・アップして、CD店で注文して買った中の一枚。こうでもしないとこのシリーズは終わってしまう恐れがあるので、今後もレヴューを読み返して漁っていかなければならない。スウェーデン出身でスラッシュ・バンドなんて珍しいのでは。ただ素直なスラッシュではなくて、「バロック音楽とスラッシュ・メタルの融合」なんて形容されているサウンドで、曲によってはヴァイオリンが入っている。ダーティなヴォーカルとバックのスラッシュ・サウンドは好みのタイプだけど、細かく展開して変態的な感じがするくらいかなりひねくれているのでちょっと聴き辛い。華麗なる芸術性を追い求めた結果出来た超インテリジェント・スラッシュは私には難しすぎて理解できませんでした。ところでバロック音楽って何ですか?
私は学生時代音楽の成績が悪かったので知りません。(向井孝司)

ABIDE WITH ME / VIC REEVES
全国の女子高生の間では「ハタカバ」の愛称で親しまれている「畑違いのカヴァー・シリーズ」です。前回お休みしたためにI.S.E.編集部へ問い合わせが殺到して、純生さんには大変なご迷惑をおかけしてしまった。ご心配なく。ネタ切れに近い状態ではありますが、このシリーズは終わりません。例えネタが切れてお休みをしたとしても、ネタが見つかり次第復活します。当たり前といえば当たり前のことですが。このレコードは12インチ・シングルで、カヴァーされているのはDEEP
PURPLEの"Black Night"です。何となくボディ/インダストリアル系の匂いがしたのでクレジットを見たらカヴァーがあったというわけ。しかもプロデューサーはHUMAN
LEAGUEのPhilip Oakeyだ。普通ならメタルをエレクトリックにカヴァーしているとなれば、おもいっきり期待してしまうのだが、私は"Black
Night"という曲はあまり好きではないので、期待度は小さかった。この曲はのほほんとしているというかふぬけているというのか、かっこよくないと思うのだけど、DEEP
PURPLEの曲の中でも有名な曲のようだ。このカヴァーの方ではさらにまぬけにしたようなトロトロしたアレンジでコミカルにさえ聞こえる。サウンドはさすがPhilip
Oakeyというほどの音作りがなく平均的な出来。ちなみにタイトル曲はつまらないです。(向井孝司)

SUICIDE NOTES / WARGASM
このバンドは'88年の『WHY PLAY AROUND?』というアルバムで懲りていた。印象は「汚いね」、ただそれだけで他には何も感じなかった。しかし、スラッシュ不足のこの時期にわがままは言ってられない。スラッシュというからには一応耳を通しておかなければ。『WHY
PLAY AROUND?』から年月もかなり経っていることもあって、もしかしたら自分の好みの音に変化しているかもしれないという期待も込めて。国内盤にはボーナス・トラックが入っているようだが、そんなことは知らなかったし、中古で買ったとはいえ、いってみれば勝負だったのでボーナス・トラックにまでこだわる必要はなかっただろう。金属的なギターの音で始まる一曲目の"This
May Not Be Hell..."を聴いてなかなかかっこいいとは思ったが、どう聴いてもヘヴィ・スラッシュだったので、やっぱり変化したと言ってここまでかと少しがっかり。良くも悪くも汚い部分は残しているが、やはり行き着くところはここだったのか。"Not
Forgiven, Not Forgotten"のように何も考えずに疾走してくれればいいけど、"Meat",
"Jigsaw Man"みたいにちょっとは展開もしますよというのになるともう合格点をあげられなくなる。その他の曲については「今風ですね」。(向井孝司)

THE BLUES COLLECTION / FLEETWOOD
MAC
'89年にリリースされたPeter Green時代のブルース・バンドだった頃のFLEETWOOD
MACのライヴ・テイクを集めた作品集のよう。1曲ごとに、ぶち切れているのでライヴ・アルバムではなく作品集です。この時代のは聴いてはいたが、購入するのは初めて。JUDAS
PRIESTがカヴァーした"Green Manalishi"、SANTANAがカヴァーした"Black
Magic Woman"、Gary Mooreがカヴァーした"Jumping At Shadows"も収録。ライヴだからなのか、甘ったるいブルースはない。どれもがヘヴィで、充分にハードロックな雰囲気を作り出している。オリジナルは短いのだろうけど、ライヴ故にか延々とソロが繰り返される"Rattlesnake
Shake"は25分にも及ぶ。長ければいいってもんじゃないだろうに。全体的に心ときめくような新鮮な感動はなかったものの、基本的にはこういうのは好きです。500円で拾えたし。(純生)

GLORY ROAD / GILLAN
'80年リリースのアルバム。全盛期のGILLANは初めて聴きます。ずっと後の『TOOLBOX』のアルバムは凄く好きだったんですけど。で、これが最高にかっこいいハードロックをやっておられる。聴き飽きた(?)PURPLEなんかよりもずっといいじゃん。Ian
Gillanの歌もずっといいじゃん。まずオープニングのスピード・ナンバー"Unchain
Your Brain"にガツンとやられます。そして重いベースから始まる"Are
You Sure"は厚い音色のKeyのリフが印象的。"Sleeping On The Job"もいい曲。"Running,White
Face,City Boy"も速くてかっこいい曲。Ianの力強い咆吼がいいです。全体的にやっていることはPURPLEを若々しくしたような感じ。紫をも思わせちゃったりするってのは理不尽な感想という気がする。気が付けば、曲によって、それぞれの楽器が主役のような曲があるのもいい。EXTRA
TRACKが7曲追加されていて、ほとんどがオマケのレベルだけど、"Come Tomorrow"のドラミングは速くて印象的。(純生)

